伝説のテレビドラマ
『岸辺のアルバム』が、
ついにDVD化されます！
岸辺のアルバム DVD-BOX/角川書店
￥28,350
Amazon.co.jp
待って待ってようやくで、
なんとも嬉しいです！
『岸辺のアルバム』というタイトルは、
耳にしたことのある人が多いでしょう。
TVドラマ史に残る不朽の名作です！
今観ても、とても面白いです。
私はもう何度も観ていますが、
何度観ても面白いです！
もうとっくにDVD化されているべき作品ですが、
音楽の権利問題などが壁となっていたようです。
今回、一部、音楽が差し替わっているようですが、
主題歌のジャニス・イアン「ウィル・ユー・ダンス」はちゃんと入っています！
この主題歌が、なんともいいんです。
これさえ入っていれば、あとは問題ないでしょう。
ドラマが好きな人にはもちろん観ていただきたいですし、
「テレビドラマなんて」と少し低く見ている人には、
ぜひ観てもらいたいです。
じつは、私がそうでした。
映画が好きで、
テレビドラマはそれよりは劣るものだと思っていました。
その認識を変えてくれたのが、
大学生の頃に再放送されていた、
この「岸辺のアルバム」でした。
『岸辺のアルバム』は全15回。
その約15時間をかけて、
このドラマは、
日常のごく細かいところを少しずつひろいあげて、
積み重ねていきます。
つい見逃してしまいやすいけれども、痛切な日常の細部。
それが積み重なっていくと、
量の変化が質の変化に転じ、
日常が思いがけない顔を見せてきます。
これは映画にはできない芸当です。
じっくり時間をかけて、
日常を描けるテレビドラマだからこそ、
可能なことです。
テレドラマにしかできないことがある、
ということを、
このドラマで教えられました。
今見ると、
最初のほうの展開がゆるいように感じられるかもしれません。
何もたいした事件が起きないように。
でも、そこがスゴイんです。
じつに少しずつ積み上がっていくんです。
そして、どんどん高まっていき、
最後にはついに、家ごと洪水で流されます！
洪水で流されるという、
物理的な被害が、
家族の崩壊の最終局面として、
すんなり納得できるほどに、
ドラマが高まっていくのです。
なお、
家族はケンカしても、
本当は愛し合っていて、
けっきょくは仲直りし、
みんな、なんでも打ち明け合って、
お互いのことをいちばんよくわかっている、
というようなドラマばかりだったときに、
家族はそれぞれに秘密を持っている、
それをいちばん打ち明けないのが家族があったりする、
お互いのことを本当はぜんぜんわかっていなくて、
そのことから目をそむけている、
というような、
新しい家族像を初めて描いたのが、
このドラマというように言われますが、
じつはこの前があります。
同じ山田太一脚本の
「それぞれの秋」です。
こちらもDVDが出ます！
とても魅力的な作品です。
ぜひ合わせてどうぞ！
木下惠介生誕100年 木下恵介・人間の歌シリーズ それぞれの秋 DVD-BOX/TCエンタテインメント
￥28,350
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ほぼ同時に出るので、
金銭的にはじつに辛いですが、
どちらも本当に待望のDVD化であり、
山田太一祭りかと思うような、
信じられないラインナップです。
この調子で、
「高原へいらっしゃい」
「沿線地図」
「緑の夢を見ませんか？」
なども続々リリースしてもらいたいものです。
そのためにも、
今回の２つのDVDボックスが、
たくさん売れてくれることを願っています。
お正月休みにじっくり観るのはいかがでしょうか？