遭難。 | 岩に染み入る 蝉のーと

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蝉丸のつれづれ日記



団長ですおさる


今日は

朝から仕事がくがく

外はものすごい吹雪・・・・・!!!!!!!!!!雪

すでに積雪は60センチガクガク

車を出すのも無理ガ-


しゃあない


歩いていくか
(・・;)))



なぁにあひゃっ

二時間もあればエフエムさがみにつくだろうし(*'∀`*)v

途中で、タクシーとかバスとかに乗れば余裕しょにこっ




そう

この時までは確かに簡単な任務であった…。

しかし



この時、団長は思い出した。

「雪」(やつら)に支配されていた恐怖を。

雪の中にとらえられた屈辱を。






(団長の準備が整うまで、「ソチオリンピックあひる大回転準決勝」の模様をお楽しみください)



朝、5時

吹雪はおさまる。

このすきに!!焦

涙ながらに止める嫁の制止を振り切り

団長、出撃!!焦





ぐは…

膝まで雪に埋まる…


家の敷地を出るだけで、10分。

早くも、杖にしていた傘が折れる。



↑傘が折れたことにより団長の体温低下が急速に進む。写真は実際に折れた傘。(「団長雪中行軍記念館」より)




股関節が痛い…

と、とにかく

大通りまで出るんだ…






(団長が大通りまで歩くまで、「ソチオリンピックあひるラージヒル予選二組目」をお楽しみください)





な…

大通りには

雪にタイヤをとられて動けないトラックが4、5台放置されている。

家からここまで

300メートルを30分以上。

腕や太ももに乳酸が…。

寒さで指先の感覚は麻痺している。

再び。吹雪。

旋風とともに。



この道は、地獄だ…。


エフエムさがみに電話。

だれも出ない…。

吹雪のせいなのか電波が途切れ途切れなる。

人の思考を奪うには十分な冷気が刃物のように飛び交う。





(電話にだれか出るまで、「ソチオリンピックフィギュアスケート金魚SP」の模様をお楽しみください)




エフエムさがみに電話をした。

これ以上は無理だ。


たった5分の電話なのに

電話機が鉛のように思い。

空中で咆哮する雪に気づかないほど疲れがたまっている


また戻るのだ。

300メートルを。

30分以上かかった。

300メートルを。

家まで帰るのだ。

しかし、それには重くなった足を、底無しの雪に埋める覚悟をしなくてはならなかった。





(団長の覚悟ができるまで、「ソチオリンピックあひるクロスカントリー決勝」をお楽しみください)





もはや雪の中を泳いでいるようであった。

暗闇と雪の境目をもがき

全く進まない足に焦りを感じていた。


半分だ。

足を止める。

雪は靴のなかに入り込み

皮膚を締め付ける。

空を見上げた。

雪が、舞う。

幻想的な

そんな幼稚な言葉では表すことのできない風景。

それにしばらく身を任せた。




それからだ。

なにがあったんだろう。

わからない。

強い力で身体中を押され

目の前が、真っ白になった。






















そう。こんな感じ。

でも、焦りはなかった。

ああ。僕はこうして終わるんだ。

この雪の中で

春まで過ごすのだ。

ごめんよ。みんな。

さよなら。みんな。

ありがとう。みんな。








↑団長の遺留品の携帯から見つかった写真2枚。団長最期の瞬間を写したと思われる(団長雪中行軍記念館より)




こうして、僕は無事に帰宅をして、

風呂に入り、昼間で寝て




生まれて初めての雪掻きをしましたとさ。

めでたしめでたし。