BRICs経済研究所 では表題のレポートを発表しました。概要は下記のとおりです。詳細はHPをご参照ください。


■インドの株価は、90年代までは低調に推移していたが、2003年以降急騰するようになった。最近の株価の上昇スピードが非常に急速であることから、短期的にはファンダメンタルズとは別に、需給の面から株価の調整が生じる可能がある。

■もっとも中長期な視点に立ってみれば、インド株にはまだ相当の上昇余地がある。インド経済は、ちょうど高度成長期の入り口に差し掛かった段階にあり、マクロの経済成長率は今後加速していくことが見込まれる。インド経済は、高度成長を遂げた60年代から70年代にかけての日本と同じ道をたどる公算が大きい。インドの株価の先行きを占うにあたって、高度成長期のただ中にあった日本の株価がどのように推移したかを振り返ってみよう。日経平均株価は1950年の段階ではわずか101.7円であったが、経済が高度成長期に入った1960年には1116.2円と10年間で11倍まで上昇した。1950年から80年までの30年間でみれば株価は67.5倍にも上昇したのである。

■しかも、外国から日本の株式市場に参入する場合には、ドルなどの外貨を日本円に換えるため、外国人投資家は、直接的なキャピタル・ゲインに加えて、円が他国の通貨に対して上昇する過程で生じる為替差益も得ることができた。

■外国人投資家は、高度成長期の日本でみたこうした風景を、デジャブのように何十年か先のインドでもう一度見ることができるだろう。インド経済の高成長を反映して株価が大幅に上昇するうえ、現状、外貨に対して低い水準に抑えられている通貨ルピーも上昇してくることは間違いないからだ。センセックス指数の中長期的な推移をシミュレーションすると、2006年から2050年まで中長期のトレンドとして上昇傾向をたどることになる。とくに、経済成長が加速する2025年以降の上昇が著しい。インド株をインデックスで2005年に購入して保有期間が20年の場合、株価は2005年実績対比で約5倍になる。また保有期間が30年の場合には18倍に、保有期間が40年に及ぶ場合には23倍にもなる。

■インド株投資を行う場合、短期的には大きな変動が生じる可能性があるが、中長期のスタンスで臨む場合には、先進国への株式投資と比べてかなりのハイ・リターンが期待できるといえるだろう。