暖かい春の日差し | カブログ君の音楽と旅

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グループは日向坂・櫻坂・乃木坂・STU・カラオケバトル出場者等10代の若者中心に紹介しています。
アイドルは谷口愛梨・上村ひなの・筒井あやめ・渡辺莉奈、歌手は佐久間彩加・伊沢友香が推しメンです。

(5-9)暖かい春の日差し


別れて、一度振り返った。

悲しみが感じ取れるほど、肩を落として歩いていた。

肩のかすかな震えから泣いていることが分かった。
その光景はショックだった。
何故、僕は君に会う度に悲しい思いをさせてしまうんだ。

君を苦しめたくない。

生きていてほしい。

幸せになってほしい。

それだけの理由で君と別れたのに、また泣かせてしまった。

ごめんね。

心が凍りつき、何も考えることができなくなった。

彼女と話したのは、僅か2分にも満たない時間だった。


長い年月生きてきて、初めて知ったこと。

今まで、生きてきて、一人の女性を死ぬほど好きになったことはあるが、愛した女性はいなかった。

冬のソナタというドラマがきっかけとなり、彼女との出会いから別れまでのいろいろなシーンを思い出し、

その時の僕と彼女の心理を考え続けた。

それは何十時間も続いた。

「何故あの時、あんなことを言ったのか?」
「何故あの時、あんな行動をしたのか?」
「何故、何故」ふと気がついた。
もしかしたら「愛していたのではないか?」
「愛されていたのではないか?」

だからあんな言動や行動に出た。

そのことに初めて気がついたとき、無性に喜びを感じた。


僕の心理状態を分析すると、今までは、彼女のことを考えると好きだった女性=恋愛=罪悪感しか感じ

なかったので、恋愛を真面目に考えることは敢えて避けていた。

つまり、別れてから僕の心は恋愛に対して常に冷めた気持ちが強かった。

そんな僕に突然、発想を切り替える機会がやって来た。

愛していたからこそと言う風に言い換えると、馬鹿な選択をしたという後悔と罪悪感は薄れ、逆に幸福感

が増して来た。

この年になっていまさら愛なんて、何を考えているの?

まるで馬鹿じゃないかと、思われても僕は言いたい。

「僕は一人の女性を愛しました」
「そしてその女性から愛されていました」
「僕は幸せでした」

それは、誰しも初めて人を好きになった時の喜びに似ていた。

僕の気持ちは思春期に戻ったような気がした。

例えて言えば、長い冬を過ごした後、暖かい春の日差しを浴びた感覚だった。




次回は(5-10)アドバイスです。お楽しみに