ゲシュタルト崩壊 という言葉をご存知だろうか。
人間は 動いているものを認識する能力が高いと言われている。
その分、静止しているものを凝視することは少しニガテなのだそうだ。
とは言え、私たちは新聞や本などで文章を読む。
静止している文字を読むことにならないのだろうか。
『読む』 という動作は 自分の目自体を動かしている。
実際は 文章というのは動いている(動かしている)文字を見ているに過ぎない。
動かない 『文字』 を凝視していると
私たちの目は 文字という認識力が薄れてきて
そのうち これが文字のかどうかもわからなくなってくるというのだ。
この 認識力の低下のことを ゲシュタルト崩壊 という。
例えば 木 という漢字。 これは 『き』 という漢字だが
ただ この字をじっと見つめていると だんだんなんだかわからなくなってこないだろうか?
本来意味のあるはずのものが 見ているうちに
ものの意味そのものがわからなくなってしまう。
それは文字に限った事ではないのかもしれない。
私たちの生活自体、安定しているようで 実は不安定極まりなかったとしたら・・・
これがゲシュタルト崩壊の怖さなのである。