結婚・出産は だれもが憧れる人生の花である。
だが 仕事を続けたい女性にとっては苦難の日々の始まりでもある。

結婚により退職を勧告される場合もある。
続ける条件として『残業も厭わない』という念書を書かされた女性もいる。
結婚=寿退社がまかり通っていた時代である。

時は遷り 仕事を続ける事があたりまえになっても
女性の悩みは尽きない。
出産である。
産休明け、出社すると自分の席がなかった女性がいた。
育児休暇など 言葉さえなかった。

私が結婚した頃、世間に育児休暇と言う言葉が
やっと浸透しつつあった。
「もし、子供ができたら 育児休暇はとれますか?」
という声に 人事担当は冷たく
「取ってもいいと制定はされてるが こちらもその間の
人の補充を考えなければいけない。
例えば1年間の育児休暇を取ったとして、1年間だけ
別の人を雇うという事は現実問題不可能だから
戻った時に席がなければ それまでということになる」

まだ 派遣社員の登用がなかった頃の話である。

時代は変わり 今やある程度の規模の企業なら
女性の希望はかなえられるようになったようだ。

そして・・・

>人事院は国家公務員の子育て参加を進めるための指針をまとめ、
各省庁に通知した。「育児休業を取ってみたら?」など、
部下や部下の妻が妊娠した際、育休などの子育て支援制度を使うよう
上司に呼びかけさせる


公務員にまで、そして男性にまで育児休業の取得を
勧めるようになったようなのだ。

ただ、現実問題 育児休業中は基本的に無給である。
雇用保険から育児休業基本給付金が支給されるものの、
原則として育児休業開始前の賃金月額の30%相当額が支給されるのみだ。
つまり 休暇中は給料の7割が確実にカットされるということだ。

公務員が休めば 昇給や昇格にも響くかもしれない。
さらに賃金7割カットでは 生活にも支障が出る。
最高1年休んだあとのブランクにどう対応するのか。

そういったことを人事院はきちんと理解して
通知を出しているのかどうか。
器ばかりを作っても そこに入れるべき物ができていなければ
その器は使い物にならないのである。