2.地域スポーツの現状と指導者の役割
2) チャンピオン型とレクリェーション型 <その3>
前回述べた「連峰型」のクラブ観は、カテゴリーの差、レベルの差を明確に
認める部分と、相互コミュニケーションを図る部分とを区別しようとする。
当然富士山型からは勝利者は一人である。しかし、連峰型からは、
チャンピオングループの勝利者と、レクリェーショングループの勝利者が
複数でる。
練習を毎日できるグループと週に何度かのグループの試合の勝利者は、
複数いるべきだ。
表現を変えると、小学生らしい条件、中学生らしい条件、あるいは子ども会
らしい条件、スポーツ少年団らしい条件のなかで”勝ちに行く”のである。
「スポーツは勝ち負けが本質ではない」とか、「スポーツは楽しさだけではない」
などという意見の対立は実質的な問題の解決にはならない。
チャンピオン型のスポーツもレクリェーション型のスポーツも、その本質は
勝ち負けと言うゲームの構造に変わりは無い。
違いは、練習日数やルール、資格などの社会的な条件に求められるべき
ことなのです。
チャンピオン型とレクリェーション型が上下の関係では、代表選手をトータルに
応援すると言うコミュニケーションは生まれにくい。
やはり、2つのグループが練習時間のある部分、また「コート外」の空間を共有
できてこそ、チャンピオン型の個性と能力がプレッシャーに押しつぶされること
なく十分に開花する。
コーチ、マネージャー、オーナーのそれぞれのタイプの指導者の考え方の
根幹に、これらの問題を設定すべきだ。
施設の使い方、グループの運営、行事の組み方などの具体的な問題を
「例年通り」やるのでなく、変革(チャレンジ)する姿勢から、
これからのスポーツ文化は育まれる。