同僚から聞いた話である。
「私,すごい失敗をしてしまったんですよ。一昨日,お隣の家にお見舞いを届けに行ったのです。その時にお見舞い袋を書き損じて,書き直してから渡しに行ったんですね。昨日の朝になって,何気なく机を見たら,書き損じたお見舞い袋を置きっぱなしにしたあったんです」
聞きながら次の展開が見えてきた。
「そして,本当に何気なく,またその袋の中を見たら・・・。何と渡したはずのお見舞い金がそっくり入っているんです。空のお見舞いを渡してしまったのですよ。私すごくショックを受けて,すぐにお隣に家に行ったんです」
気付いて良かったですねと相槌を打った。
「でも,お留守で・・・。その日の仕事を終えたら,すぐ,あらためて伺ったんです。きちんとお金を持って。私のドジを正直に話したんですね」
お隣さんは何と答えたのでしょう。
「そしたら,こう言うんです。『あら,そうだったの。ちっとも気付かなかったわ。まだ開けていなかったものですから』開けていない訳無いわよね。」
自分の非を正直に話せる同僚も素敵だし,相手を傷つけない対応が出来るお隣さんも素敵だな。