フランス額装の課題ができました。
今回は、ビゾーに編み込みを入れる技法です。
ビゾーというのは、一般の額装で言うと、マットの斜断面にあたる部分です。
フランス額装では、ビゾーの部分に技法を施して
額に収めている作品の世界観を広めることができます。
今回の課題に使ったのはこちら。
HENRY CLARKE
アメリカのファッションカメラマンのポストカードです。
ヴェールが付いた帽子を被っている女性。
手にはリキュールグラスを持っています。
本来、この技法は紙を3mm~5mm幅の細長いテープ状にカットして編み込むそうです。
ですが、この女性の帽子を見て思い浮かんだことがあります。
それは、AVLILの糸!
以前、タッセルを作るために手に入れました。
細いヤーンにフラッグの付いた糸です。
フラッグは紫みの青~明るい赤紫のグラデーションになっています。
私の理想はヤーンをグラデーションさせることで、
被写体からイメージした色彩感を表現する(^-^)/
では、さっそくチャレンジ!
と、ところが・・・・
想像していたより何倍も苦戦しました。
何しろ糸という細い面を等間隔に貼り付け、等間隔に糸を潜らせて編むわけですから
施している間に他の糸が外れたり、間隔が広くなっていたり、狭くなっていたり・・・。
一通りやってみたら、全く揃わずグシャグシャ・・・。
糸にじゃれて遊んでいた猫が、自身の体に糸が巻き付いて
身動きがとれなくなって困惑してしまったときのような気分ですo(_ _*)o。
ムムム・・・。ここで諦めてはネコがすたる・・・。
再びやり直し!
ヤーンを等間隔に貼り付けることに集中すべく
色のグラデーションは考えず、糸の染めのまま貼ってみました。
そしたら!
色合いが散漫になり、モノクロ写真の雰囲気を阻害しかねないほど
ビゾーが賑やかになってしまいましたヽ(*'0'*)ツ
はぁ・・・。
またやり直し。
やはり色の並びは配慮したほうが良さそうです。
今度は貼る位置に対して
ヤーンの染めのどの辺を使うのか?
張っている間に他のヤーンが取れないように、しっかり貼り付ける!
一本一本を考慮しながら細心の注意を払い、仕上げたのがこちら。
ビゾーに青色からピンクのグラデーションを作ってみました。
ここまで糸を張ることにこだわったのには理由があります。
照明の角度によって現れる、糸の影を出したかったのです。
きっと伏せ目がちの女性のまぶたにも、
帽子のヴェールが影を描いていることでしょう。
いよいよ額縁に収めます。
今回も厚紙で額を作りました。
糸を張っている時には何よりも待ち望んだこの日、この時!
最後までお読みいただき、ありがとうございました(*^▽^*)。