自作数学問題bot @mathquestionakt (問題2) | 数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

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中学高校の定期試験問題・大学入試問題・Twitterの数学特化系アカウントで出題された問題・閲覧した方からのご質問まで、幅広く取り扱う方針ですので、
日々の学習や数学的発想・思考力の向上にお役立ていただければ幸いな限りです。

n人で席替えをすることを考える。全員が異なる席へ移る確率をP(n)とする時、lim(n→∞)P(n)を求めよ。

解答作成日:2015年4月23日
テーマ:完全順列
履修学年:理工系学部1年次

本題でご紹介する、完全順列というものについてご説明します。
「n個の要素を並び変えた際に、元の位置に留まる要素が一つもないものを完全順列という。」

本題に基づく表記ですと、「席替えをする前に、座席に1~nまでの番号をつけて、その各々に座っているn人に、座席の番号と同じ番号札を渡す。全員が番号札を持ったまま、座席をランダムに移動した際、持っている番号札と座席の番号が一致する組が1組もない場合」ということですね。

場合の数→隣接3項間漸化式→マクローリン展開という、大変な手間を伴う問題です。

ゴリゴリ計算しても場合の数の法則性が全く見えないので、
隣接3項間漸化式を作る前提でn,n-1,n-2の関係を解釈に基づいて出します。

隣接3項間漸化式の一般項の求め方につきましては、問題40でもご紹介しましたが、
「独立した項のセット」の作り方がひと工夫必要で、またまた勝手が違いそうですね。

【問題40】以下の漸化式を満たす数列{a(n)}の一般項を求めよ。







マクローリン展開につきましては、完全に専門レベルですので、手短にご説明します。
本題でご紹介しているマクローリン展開の公式は、f(x)がxのn次方程式であれば両辺が完全に一致します。
これを根拠として、xのn次方程式以外でも、近似的に成り立つはずであるとしたちょっと強引な定理ですね。
もっとも、これで実際に大分正確な値が出た訳ですので、良しとしましょう!