自作数学問題bot @mathquestionakt (問題26) | 数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

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日々の学習や数学的発想・思考力の向上にお役立ていただければ幸いな限りです。

アナログ時計があり、針の根元、短針(時針)、長針(分針)の先端をそれぞれ点O、A、Bとする。ある日の0時0分から翌日の0時0分までの間にΔOABが直角三角形となるのは何回か。ただし、針は常に一定の角速度で回るものとする。


解答作成日:2015年4月16日
テーマ:時計の針が直角三角形をなす条件
履修学年:なし
(本題で利用する「不定方程式」及び「三角比」を高校数学Ⅰで履修しますので、本題は発想次第で数学Ⅰの範囲で解答可能です。)

簡単そうに見えて、結構複雑ですね。
多くの方が、直感で「48回」と答えてしまいそうです。
もし、短針が12時の部分に固定されていて、かつ、∠O=90°の直角三角形に限定されていれば「48回」で正解です。
しかし本題では、長針の回転に伴い、短針も異なる角速度で回転する、いわゆる時計と全く同じ運動をするという点が、厄介なところです。

本題解説では、仰々しくも不定方程式なんか立ててしまいましたが、
実は長針と短針が重なってから、次にまた重なるまでに直角三角形が4回作られるのです!!

4回……?2回では?

そう思いますよね。

確かに、長針と短針に挟まれた角が90°(∠O=90°)になる直角三角形は左右に2回しかできません。
他にも、「長針が斜辺になる直角三角形ができる場合」つまり、「長針と短針を結んだ線分」と短針が垂直になる場合(∠OAB=90°)もあるのです。
これが、左右に2回ずつできますね。

少しでも手間を省くために、0時0分から12時0分までの針の回転を24時間で2回繰り返すことを利用して、12時間単位で計算してみましょう。



ここで「あれ、24×4で96では??」とまたもや不思議に思う方もいると思います。
「長針と短針が重なってから、次にまた重なるまでに直角三角形が4回作られる」と上で述べましたが、そもそも12時間の間で長針と短針は何回重なるのか…?

この際ですから、0時0分に重なった状態から探り探り数えて行ってみましょう。
0時0分の次に重なるのは、1時から2時になる間1回(1回目)
その次に重なるのは、2時から3時になる間1回(2回目)
その次に重なるのは、3時から4時になる間1回(3回目)

10回目に重なるのは、10時から11時になる間1回
11回目に重なるのは、短針がちょうど1週して12時ちょうどになった時。

そうです、0時0分を過ぎた直後から1時までの間は、長針と短針が重ならないのです。

だから直角三角形が4回できるサイクルは、22回しか現れないのですね。