DUNE/デューン 砂の惑星 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Dune
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
キャスト:ティモシー・シャラメ/レベッカ・ファーガソン/オスカー・アイザック
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
公開:2021年10月
時間:155分




1965年に発表されたフランク・ハーバートのSF大河小説『デューン砂の惑星』。その物語の複雑さと重厚さのため映像化が困難な小説と言われ,1971年以降,未完に終わったアレハンドロ・ホドロフスキー監督版や,1984年のデイヴィッド・リンチ監督版など,多くの一流アーティストが映像化に挑んできたが失敗に終わっていた。そして原作の誕生から半世紀を経て5度目の映像化に挑んだのが『メッセージ』『ブレードランナー 2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。2部作の1作目となり,原作の前半部分をほぼ網羅している。

10191年。人類が地球以外の惑星に移住して築いた宇宙帝国では,1つの惑星を1つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれていた。惑星カラダンを統治してきたレト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)は,皇帝の命を受け,“砂の惑星デューン”と呼ばれる惑星アラキスを治めることになる。そこは,人間の寿命を延ばし,超人的なレベルの思考を提供し,超光速の旅行を実用的にする秘薬“メランジ”の唯一の生産地。アトレイデス家には莫大な利益がもたらされるはずだった。

しかし,妻のジェシカ(レベッカ・ファーガソン)と息子のポール(ティモシー・シャラメ)を連れてデューンに乗り込んだレト公爵を待っていたのは,メランジの採掘権を持つ宿敵ハルコンネン家と皇帝が結託した陰謀。壮絶な戦いで父を殺され地位を追われたポールは,現地の自由民“フレメン”の中に紛れて力をつけ,帝国に対する革命を起こす決意を固める。“フレメン”の女戦士チャニ(ゼンデイヤ)こそが,これまでに何度も夢で見た謎の女性だと気づくポールだったが…。

大作らしい重厚さと壮大さに満ちた作品だが,カラダンの無機質さと,デューンの延々と広がる砂漠は,特にこの手のサーガものの前半の背景としては,やや退屈してしまう。後半になり,ようやくポールの見た未来と現実が重なり動き出す物語は,先を期待させるパワーに溢れるのだが,展開としては“いい所”で“パート2へ続く”となり,期待を膨らませて終わる。

世界興収4億ドルと,これまでの映像化で始めて成功したこの作品。続編となる『Dune: Part Two(仮題)』の来秋の全米公開が発表されている。

第94回アカデミー賞では,作曲賞,音響賞,美術賞など6部門を獲得している。


映画クタ評:★★★★


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