怪獣島の決戦/ゴジラの息子 | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Son of Godzilla
監督:福田純(本編)/有川貞昌(特撮)
キャスト:久保明/高島忠夫/前田美波里
配給:東宝
公開:1967年12月
時間:86分




1966年から1968年頃,テレビ番組『ウルトラQ』『ウルトラマン』を皮切りに,巨大な“怪獣”が登場する特撮テレビ番組が相次いで制作され,子供を中心に起こった爆発的な社会現象を“第一次怪獣ブーム”と呼ぶらしい。

そんな真っ只中,『ゴジラ・エビラ・モスラ/南海の大決闘』の翌年に公開されたシリーズ第8弾が今夜紹介する『怪獣島の決戦/ゴジラの息子』。グアム島ロケが敢行されたという本編の監督は,前作に引き続き福田純。撮特技監督には有川貞昌が昇格した。

南太平洋の無人島・ゾルゲル島では,楠見博士(高島忠夫)を中心としたチームにより,合成放射能ゾンデを利用した国連主体の気象コントロール実験“シャーベット計画”が進められていた。人口増に伴う世界的な食糧難を解決するため,人工的に気象を制御する実験だ。ジャーナリストの真城伍郎(久保明)はこれを嗅ぎつけ,実験チームの押しかけスタッフとなる。

ついに開始された気象コントロール実験だったが,謎の妨害電波により放射能ゾンデの打ち上げが失敗し,島は異常高温に見舞われる。この影響で,島に生息していた大カマキリが怪獣カマキラスへと変貌したのだった。カマキラスは巨大な卵を発見し,その卵の中からミニラが孵化。カマキラスがミニラを攻撃し始めたその時,そこへミニラの親,ゴジラが現れるのだった。一方,伍郎は海岸で不思議な美少女サエコ(前田美波里)と出会うのだったが…。

“ゴジラ史”的には,ゴジラ二世の“ミニラ”が初登場する記念すべき作品。ちなみに登場する親ゴジラは“パパ”らしいが,卵を産んだママの所在が気になるところ。従来のシリーズを根底から覆しかねない設定だが,公開当時の子供たちには好評だった。うまく戦えないミニラをゴジラが特訓して,火焔を吐けるまでにする辺りが泣かせる。全て操演というカマキラスとクモンガの動きと造型は驚異に値する。

ストーリーとしては,“子供ウケ”狙いなせいか,悪人が出てこないし,その割に悪人顔が多いし,やや単調。


映画クタ評:★★★☆☆


右矢印『ゴジラ』シリーズ作品まとめ