ワンダーウーマン 1984 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



原題:Wonder Woman 1984
監督:パティ・ジェンキンス
キャスト:ガル・ガドット/クリス・パイン/クリステン・ウィグ
配給:ワーナー・ブラザース/ワーナー ブラザース ジャパン
公開:2020年12月
時間:151分




今夜紹介するのは,新型コロナのパンデミックで公開が3度延期となった『ワンダーウーマン 1984』。3年前に公開され大ヒットとなった『ワンダーウーマン』の続編だ。劇場で観るタイミングを逸し,ようやく購入して鑑賞。だってこのシリーズ,時代背景を味わいながらじっくり見るのが美味しい。

そもそもワンダーウーマンはアマゾン族の半神という設定で年齢非公表。確か5000歳位になると思うが,見た目は30代。今回の舞台はタイトル通り1984年で,前作から66年後の物語となる。パティ・ジェンキンス監督も前作から続投。今回は脚本にも携わっている。

1984年のアメリカ。ダイアナ・プリンス(ガル・ガドット)は,スミソニアン博物館で考古学者として働きながら,正体不明のヒーロー“ワンダーウーマン”として悪と戦い続ける日々を送っていた。ある日,FBIに摘発された密輸業者の盗品が博物館へ届けられ,ダイアナの同僚で鉱物学者のバーバラ・ミネルヴァ(クリステン・ウィグ)が鑑定することになる。

しかし,盗品の中にあった奇妙な“石”が,それぞれの運命に悪戯をする。“石”の台座にはラテン語で「何でも1つだけ願いを叶える」と彫られていたのだ。「かつて愛したスティーブ(クリス・パイン)を復活させる」ことを願ったダイアナ,「ダイアナのようになりたい」と願ったバーバラ。さらに巨大な陰謀を持ってバーバラに近づく実業家マックス(ペドロ・パスカル)。やがて世界は崩壊の危機を迎えるのだったが…。

ダイアナとバーバラとマックスの3者の思いと欲望が,ドラマを大きくうねらせ,スペクタクルを膨らませていく。DCEUらしい正統派ストーリーに,核を抑止力とする米ソ関係やSDI構想,中東の石油政策など,当時の社会情勢を作用させる面白さ。80年代カルチャーのヴィンテージ感がもたらす笑いも加味して,絶妙のバランスを持つ1本に仕上がっている。

前半で少女時代のダイアナが,セミッシラのレース競技で教わる「嘘から真の英雄は生まれない」という戒めが,自身の葛藤,そして,人の虚栄心や欲望を試す主題として機能していく。宿敵チーターの登場も,ワンダーウーマンの鏡像となり,ダイアナにとっての“正義”の意味を再考させる。最終形態の“ゴールドアーマー”が,そんな全てを象徴し,神々しく映る。

ちなみに,ポストクレジットに登場する伝説の戦士アステリア役のリンダ・カーターは,1970年代後半の人気TVドラマ版『ワンダーウーマン』でダイアナを演じていた。


第3弾となる続編企画も正式決定。今度はどの時代に“ワンダー”を巻き起こしてくれるのか? 待ち遠しい。


映画クタ評:★★★★


右矢印ガル・ガドット作品まとめ

右矢印クリステン・ウィグ作品まとめ

右矢印ロビン・ライト作品まとめ

右矢印クリス・パイン作品まとめ

右矢印DCEU作品まとめ


◆シリーズ一覧◆

ワンダーウーマン』(2017年)