セトウツミ | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:大森立嗣
キャスト:池松壮亮/菅田将暉/中条あやみ
配給:ブロードメディア・スタジオ
公開:2016年7月
時間:75分




2夜連続で,菅田将暉のダブル主演作品を紹介。まず今夜は,一風変わったテイストの1本。2013年から4年間『別冊少年チャンピオン』に連載された此元和津也の漫画を,池松壮亮&菅田将暉のW主演で実写化したこの作品,関西の男子高校生2人が川辺でとりとめのない会話をしているだけなのに,その漫才のようなやりとりが何だか味があるのだ。翌年にTVドラマ化もされたが,やはり映画版の方がお薦め。

監督・脚本は,数々の国際映画賞での受賞歴を持ち,一昨年の『日日是好日』も好評価を得た大森立嗣。実はこの大森監督,父親は俳優の麿赤兒,弟は大森南朋だったりする。

ギザギザの髪型が特徴で天然な性格の瀬戸小吉(菅田将暉)。先輩を無視してフリーキックを蹴ったのがきっかけでサッカー部を辞めさせられ,暇つぶしのために放課後の川辺に来るようになった。樫村一期(中条あやみ)に片思いしている。猫が好きで蜘蛛が嫌い。

一方,塾に行くまでの1時間半を潰すために,放課後を川辺で過ごすようになった内海想(池松壮亮)。眼鏡をかけたクールな風貌だが,瀬戸をイジるためには全力を尽くす。樫村一期から片思いされている。

共に高校2年生の,まるで対照的なこの2人が,放課後になると決まって川辺の階段の定位置に座り,まったりと喋っている。それが彼らの“青春”だった…。

第1話『セトとウツミ』
第2話『アメとムチ』
第3話『イカクとギタイ』
第0話『内海想の出会い』
第4話『先祖と子孫』
第5話『瀬戸小吉の憂鬱』
第6話『出会いと別れ』
エピローグ『樫村一期の想い』


春から冬へと8話が進み,変わらぬ風景の中にアクセントとなるゲストが挿入される。話題そのものが深いわけではなく,むしろダラダラとボケとツッコミが繰り返されるのに,2人の対照性と見えてくる類似性がクセになるのだ。各話タイトルと会話の符合も面白い。

通しで見ていくと“生老病死”や仏教観に繋がっているトークネタ,季節の変化とともに変わっていく内海の表情など,若手ながら実力派の2人だから生み出せる空気感がある。それが映像から伝わり,見る者をしばし虜にする。


映画クタ評:★★★★


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