名探偵コナン/業火の向日葵 | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Detective Conan: Sunflowers of Inferno
監督:静野孔文
キャスト:高山みなみ/山崎和佳奈/小山力也
配給:東宝
公開:2015年4月
時間:112分




昨夜に引き続き“コナンくん祭り”。今夜は,怪盗キッドの登場する第19作『業火の向日葵』を紹介。劇場版での怪盗キッドの登場は,第3作『世紀末の魔術師』,第8作『銀翼の奇術師』,第10作『探偵たちの鎮魂歌』,第14作『天空の難破船』と,これまで5作に及ぶ。毎作,様々なテーマで楽しませてくれるシリーズだが,この作品では,ゴッホの絵画『ひまわり』が物語の重要な鍵を握るというシリーズ初の,“アートミステリー”と位置づけられる構成が妙味。

ニューヨーク・マンハッタンのオークションに,ゴッホが2番目に描き,第二次世界大戦時の芦屋空襲で焼失したとされる『ひまわり』が出品された。これを3億ドルで落札し,獲得したのは,園子(松井菜桜子)の伯父で鈴木財閥の相談役・鈴木次郎吉(富田耕生)。ところが『ひまわり』を乗せ日本へと飛び立ったジェット機が上空で爆発。潜んでいた怪盗キッド(山口勝平)によって『ひまわり』が奪われる。ジェット機はどうにか羽田空港に緊急着陸し,『ひまわり』も駆けつけたコナン(高山みなみ)によって無事に取り戻される。しかしコナンは,今回のキッドの手口に違和感を拭えない。

そんな中,鈴木次郎吉は世界中に現存する7点の『ひまわり』を一堂に集めた世界初の展覧会“日本に憧れたひまわり展”を,鉄壁のセキュリティを誇るレイクロック美術館で開催する準備を進める。護衛に当たるのは,プロデューサーの圭子アンダーソン(榊原良子),絵画鑑定士の宮台なつみ(榮倉奈々),絵画修復士の東幸二(磯部弘),演出家の岸久美子(ゆかな),運送家の石嶺泰三(宝亀克寿),ニューヨーク市警のチャーリー(咲野俊介),そして毛利小五郎(小山力也)の“7人のサムライ”と呼ばれる精鋭たちとコナン。やがて世界各国から『ひまわり』が続々と集結し,いよいよ展覧会当日を迎える中,何と高校生探偵・工藤新一が会場に姿を現わすのだった…。

実はこの作品のキーパーソンとなる怪盗キッドと工藤新一の声は,どちらもずっと山口勝平が担当している。そこはプロなのでさすがに声は使い分けられている(もちろんウソップとも違う)のだが,この点を逆に利用したストーリーには思わず「お見事!」と叫んでしまう。主題歌はポルノグラフィティの『オー! リバル』。

実際に『ひまわり』は,1888年8月から1890年1月にかけてゴッホにより7点が描かれた。1919年に実業家の山本顧彌太が,当時の金額で7万フラン(現在の価格に換算すると約2億円)で購入し,彼の芦屋の自邸に飾られていたという。芦屋空襲により山本の邸宅と共に焼失したというのも史実。それにしても,この作品でのロマンと,7点揃った“日本に憧れたひまわり展”が実現したら素晴らしいのにと思う。


映画クタ評:★★★★


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