監督:トム・フーパー
キャスト:エディ・レッドメイン/アリシア・ヴィキャンデル/ベン・ウィショー
配給:フォーカス・フィーチャーズ/ユニバーサル・ピクチャーズ/東宝東和
公開:2016年3月
時間:119分
今夜紹介するのは,世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人,リリー・エルベの実話を基にした『リリーのすべて』。第88回アカデミー賞でアリシア・ヴィキャンデルに助演女優賞をもたらした,アリシアのファンとしては外せない1本。原作はデヴィッド・エバーショフが2000年に刊行したデビュー小説『The Danish Girl』で,ニューヨーク·タイムズの“注目の本”に取り上げられ,「テーマは複雑で深遠。愛に対するエバーショフの知的で巧みな探究により,この小説は,注目に値する“事件”となるだろう」と絶賛された。
監督は『英国王のスピーチ』(2011年・モメンタム)でアカデミー監督賞を受賞したトム・フーパー。主人公リリーを演じるのは『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のニュートとしてすっかりファン層を広げたエディ・レッドメイン。
1926年,デンマークのコペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は結婚して6年目になる肖像画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)と仲睦まじい日々を送っていた。ある日,ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を引き受けることに。ストッキングとヒールを身につけ,脚のモデルになったのをきっかけに,アイナーは自分の中に潜む“女性”に目覚める。最初は遊びのつもりでアイナーに女装をさせ“リリー”として外に連れ出し楽しんでいたゲルダも,次第にアイナーが本気だと気づき激しく動揺するようになる。
しかし,リリーをモデルとした絵が画商から評価を受けるようになるゲルダ。一方,次第にリリーとして過ごす時間が増え,絵を描くこともやめてしまうアイナーは,心と身体との不一致に苦悩を深めていく。ゲルダもまた,アイナーが夫でなくなっていくことに困惑するものの,やがて“リリー”こそがアイナーの本来の姿であると理解し受け入れていく。やがて2人は解決の道を探しパリへと移住するのだったが…。
邦題の通り,メインは“リリー”の生涯。つまり,アイナーが“リリー”として生まれ,全うするまでの“すべて”なのだが,アリシアの演じるゲルダの,可愛らしさと苦悩と葛藤に,視線も感情も持っていかれる。時に妻であり,同業の画家であり,後半では“リリー”の母のような愛情さえ見せるアリシア。納得のアカデミー賞・助演女優賞に,ファンの欲目を足して5つ星★
ちなみに,エディ・レッドメインの『ファンタビ』新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は11月23日から公開。またまたニュートの活躍に期待♪
クタ評:★★★★★
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『リリーのすべて』
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