思い出のマーニー | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:When Marnie Was There
監督:米林宏昌
キャスト:高月彩良/有村架純/松嶋菜々子
配給:東宝
公開:2014年7月
時間:103分




借りぐらしのアリエッティ』から4年後に公開された米林宏昌監督の2作目。原作は1967年に出版されたイギリスの作家,ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学『When Marnie Was There』。公開後の8月に,スタジオジブリによる長編アニメーション制作を小休止することが発表されたため,現在のところジブリ単独製作による最後の作品となっている。

北海道の札幌に暮らす12歳の佐々木杏奈(高月彩良)。辛い生い立ちから心を閉ざす彼女は,養母の頼子(松嶋菜々子)のことも「おばちゃん」と呼び,誰とも打ち解けることなく孤独な日々を送っていた。そんな中,持病の喘息が悪化し,山下医師(大泉洋)は転地療養を勧める。頼子の親戚である大岩清正(寺島進)とその妻・セツ(根岸季衣)の暮らす海辺の村でひと夏を過ごすことになった杏奈は,入江に建つ誰も住んでいない古い洋館を目にする。地元の人が“湿っ地(しめっち)屋敷”と呼ぶその建物に,なぜか懐かしさを覚え惹かれていく杏奈。

その屋敷は杏奈の夢の中にも現われるようになり,必ずそこには金髪の少女の姿があった。七夕祭りの夜,入り江にあったボートで屋敷を目指していた杏奈の前に,夢で見た金髪の少女が現われる。少女はマーニー(有村架純)と名乗り,「私たちのことは2人だけの秘密よ」と語る。そんなマーニーにだけは心を開き,いつしかかけがえのない友情を育んでいく杏奈だったが…。

「『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』の両巨匠の後に,もう一度,子どものためのスタジオジブリ作品を作りたい」と語っていた米林監督だが,この作品,子どもに理解できるのだろうか? 12歳の杏奈の目を通して描かれる,残酷で俗っぽい街での生活と,リアルで夢のようなマーニーとの時間。ラスオチで久子(黒木瞳)の語るマーニーと杏奈の関係。ジブリ最後の作品の制作に宮﨑駿・高畑勲の2人が一切関わらなかったのも,一歩引いた所から愛情をもって見つめている姿が想像でき,この作品のテーマと符合することを考えると,何と深い物語だろうかと感嘆する。

さて,制作部門の休止が発表されてから3年後の昨年5月,ジブリの制作部門の活動再開が発表された。現在,宮﨑駿監督の新作長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』と,宮﨑吾朗監督のCG長編アニメ映画を2本同時に制作しているという。


映画クタ評:★★★★


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『思い出のマーニー』
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