亜人 | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:AJIN
監督:本広克行
キャスト:佐藤健/玉山鉄二/城田優
配給:東宝
公開:2017年9月
時間:109分




場面に映る雰囲気や表情でキャラの感情を表現するのに長けているのが俳優だが,その存在感や気迫で,シーンとして存在しない過去の事柄や心情まで見せることのできる俳優は少ない。そんな“魅せてくれる”中堅2人を対峙させ,予想通りに週末興収1位となった新作を,このコーナーにしては公開2日目というスビード紹介。

原作は,アニメ化もされた桜井画門の大ヒット・コミックス。主演に佐藤健,対峙するのが綾野剛,監督は『踊る大捜査線』シリーズの本広克行。まさに観客の興味を撃ち抜くクレジットだ。

『亜人』とは,人間と同様の外見を持ちながら,死亡すると即座に蘇る驚異的な再生能力を持つ存在。この実写版の設定では26年前に初めて発見され,世界中に46人が確認されている。原作とはキャラ設定も変更され,ストーリーもオリジナルとなっている。

2017年東京。病気の妹・慧理子(浜辺美波)を救うため,勉学に励んでいた研修医の永井圭(佐藤健)は,ある日突然,トラックに轢かれてしまう。しかしその直後,死亡したと思われた圭の肉体は復活し,息を吹き返す。圭は絶対に死なない新人類“亜人”だったのだ。国内3例目の亜人であることが発覚した圭は,亜人対策を進める厚生労働省の亜人管理委員会に捕らえられ,戸崎優(玉山鉄二)率いる亜人研究施設で非人道的な実験のモルモットにされてしまう。

そんな圭に手を差し伸べたのは,国家に対しテロを繰り返す最凶の亜人・佐藤(綾野剛)だった。国内2例目の亜人・田中(城田優)と共に施設を襲撃し,救い出した圭を仲間に取り込もうとする佐藤だったが,彼の思い描く未来に共感できない圭に,佐藤は怒りの矛先を向ける。こうして,人間でいたい圭と,亜人を絶対とする佐藤の終わらない戦いが始まるのだった…。

危惧していた本広監督のムダに和む“ほんわか”カラーはなく,VFXとアクションとスピード感満載。設定の変わった分,原作を知らなくても楽しめるし,この作品のために肉体改造までして臨んだ佐藤健vs綾野剛の気迫で押しまくる109分。妹と共に身を寄せることになる田舎の老婆(吉行和子)宅での,緊張を緩める佐藤健の表情に,彼の俳優としての深さも見える。原作ではIBM(Invisible Black Matter)と呼ばれる“黒い幽霊”もよく描かれているし,下村泉(川栄李奈)や奥山(千葉雄大)も上手く存在感を出している。

続編への布石も見えたエンディング。この作品の成績次第だとは思うが,ちょっぴり期待したいところ。


映画クタ評:★★★★


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