X-MEN/フューチャー&パスト | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:X-Men: Days of Future Past
監督:ブライアン・シンガー
キャスト:ヒュー・ジャックマン/ジェームズ・マカヴォイ/マイケル・ファスベンダー
配給:20世紀フォックス
公開:2014年5月
時間:131分




ウルヴァリン/SAMURAI』のエンドロール後のシーンで,空港にローガンを迎えに来たマグニートーとプロフェッサー。それも2人とも能力全回復って…と,シリーズファンを混乱させたこのシーンについては,映画内では全く説明がない。『ファイナル ディシジョン』でキュアを打たれて能力を無くしたはずのマグニートーについては,ラストシーンでチェスの駒を少しだけ動かせてたのでまだ能力回復が考えられるが,ジーンにフッ飛ばされて死んだはずのプロフェッサーはどうやって? と気になるところ。

関係者の発言で『ファイナル ディシジョン』のエンドロール後の1シーンが解説されている。プロフェッサーには脳死で昏睡状態の双子の兄弟が居て,ジーンに殺される直前に自分の意識を全部送って身体を乗っ取ることで復活したとか。双子なのでそっくりという強引な理由だが,細かいことを気にしていたら話がワケ判んなくなっちゃうのは,むしろこの『フューチャー&パスト』の方なので,多少ザックリと時間を繋いで見るのが良いのかも。

2023年,地球はバイオメカニカル・ロボット“センチネル”の暴走によって滅亡へと向かっていた。それは,科学者ボリバー・トラスク(ピーター・ディンクレイジ)がミュータント抹殺のために開発した最強兵器だった。しかし今や,センチネルはミュータントばかりか人類にも牙をむき始める。

そんな中で,センチネルの追跡を逃れ続けるミュータント集団がいた。彼らは『ファイナル ディシジョン』でも活躍したキティ(エレン・ペイジ)の進化した能力によって精神を過去に送り,センチネルに襲われる未来を変えて生き延びていたのだ。プロフェッサー(パトリック・スチュワート)はセンチネル開発のきっかけとなる,1973年のミスティーク(ジェニファー・ローレンス/吹替:剛力彩芽)によるトラスク暗殺を回避することで,未来を変えようと考えていたのだった。

しかし,キティの力で精神を過去に送れる時間は数時間程度。さらに,数十年前に送り込まれた者の精神は破壊されてしまう。そこで,精神が破壊されても無事なミュータント,つまりどんな傷でも瞬時に回復する能力を持つローガン(ヒュー・ジャックマン)しか,このミッションを成功させることはできない。プロフェッサーとマグニートー(イアン・マッケラン)はローガンに,50年前の自分たちを根気強く説得するよう頼み,ローガンを過去へと送る。やがて地球滅亡のカウントダウンが刻まれていく中,2つの時代で壮絶な戦いが繰り広げられていくのだった…。

ウルヴァリンを過去に送る際に,マグニートーがプロフェッサーに呟く「心配なのは過去の我々だ。まだ若く何も分かっていない」という言葉通り,若きプロフェッサー(ジェームズ・マカヴォイ)は失意のどん底でやさぐれているし,マグニートー(マイケル・ファスベンダー)はますます気難しい人間になっている。会えば衝突ばかりする反面,離れていてもどこか互いを思い合っていたりする。そして,いつもは勝手気ままでプロフェッサーたちの手を焼いていたウルヴァリンが,過去ではチームを導く最年長となるのも面白い。彼の叱咤激励が若き師匠の心を奮起させてゆくことになる。この逆転現象こそが,時空を超えたドラマティックな魅力。

老若のキャストで登場するビースト(若年期:ニコラス・ホルト/老年期:ケルシー・グラマー)をはじめ,シリーズのキャラが勢揃い。中でも初登場で,次作『アポカリプス』にも登場したクイックシルバーの魅せるアクションは息を呑むほどに美しい。

再登板したブライアン・シンガー監督は,これらのキャラの関係性と,ビターな後味の残っていたシリーズ過去作を,タイムトラベル理論を用いたこの1本で回収してみせた。ただ,エンディングの顔ぶれを見た時に〈トリロジー第1章〉が不憫に思えてしまったのは,おそらく玖妙だけではないだろう。


映画クタ評:★★★★


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