監督:山崎貴
キャスト:木村拓哉/黒木メイサ/柳葉敏郎
配給:東宝
公開:2010年12月
時間:138分
SMAP主演作品特集の2回目はキムタク。TVドラマでは“視聴率男”と呼ばれた彼でさえ,近年のTV離れ,ドラマ離れは救えないようだが,主役としての存在感は卓越しているし,作品に臨む姿勢や演技力など,映画関係者からは特に高評価を受けている。このコーナーではすでに『HERO』(2007年)も『HERO』(2015年)も,声優として参加した『ハウルの動く城』も紹介しているので,今夜は『ヤマト』を選んでみることにした。
1974年に放送されて以来,国民的アニメの金字塔として,再放送,続編,新シリーズと繰り返され,根強い人気を持つ『宇宙戦艦ヤマト』を,白組の山崎貴監督が初めて実写化した作品。全体の80%がVFXで制作されている。宇宙戦艦ヤマトを実写で見れる現代の映像技術に乾杯♪
2194年,外宇宙に突如として出現した正体不明の敵・ガミラスが地球への侵攻を開始。人類は全戦力を注ぎ防衛に奮戦するも虚しく,滅亡の危機に追い込まれてしまう。それから5年後,ガミラスの遊星爆弾による攻撃で海は干上がり,地球上の生物の大半は死滅していた。残されたわずかな人類は地下都市を建設してガミラスの攻撃に耐えていたが,地下にまで浸透してきた放射能によって人類の滅亡まであと1年余りとなっていた。
地球防衛軍は残された戦力を火星星域に集結し最終決戦に挑むが,旗艦1隻を残してあえなく全滅する。その数日後,地球上に謎のメッセージカプセルが落下。そこには,波動エンジンの設計図と,はるか14万8千光年先の惑星・イスカンダルの正確な座標が記されていた。イスカンダルにある放射能除去装置という人類最後の希望を手にするため,地球防衛軍は“宇宙戦艦ヤマト”を建造。古代進(木村拓哉)ら勇士を乗せたヤマトは,イスカンダルへと発進する。しかしこの旅立ちは,彼らの前に立ちはだかるガミラスとの死闘の始まりでもあった…。
ガミラスとイスカンダルの設定に若干の違和感はあるものの,それ以外はおおむねオリジナルに沿ったダイジェスト。アニメ版を忘れた頃に見ると,これはこれで実写版として楽しめる。
何より,沖田艦長役の山﨑努をはじめ,ちょっと設定とキャラは違うが森雪を黒木メイサ,真田を柳葉敏郎,進の兄・古代守を堤真一,徳川機関長を西田敏行,佐渡先生を高島礼子,デスラーの声を伊武雅刀など,豪華キャストが贅沢に集結している点も見どころ。