アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Alice Through the Looking Glass
監督:ジェームズ・ボビン
キャスト:ジョニー・デップ/アン・ハサウェイ/ミア・ワシコウスカ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開:2016年7月
時間:112分




スノーホワイト/氷の王国』と違い,6年前の前作のキャストをキッチリ揃えてくる辺りは,さすがディズニー。ティム・バートンが製作総指揮に退いたのが残念な部分だが,ジョニデ大好き玖妙としてはマストなので,3D吹替も2D字幕も観てしまった♪

美しく成長したアリス(ミア・ワシコウスカ)は,亡き父が遺したワンダー号の船長となり,世界中の大海原で勇猛な冒険を繰り広げていた。しかし3年ぶりにロンドンに戻ってきた彼女は,父の愛した船を手放さなければならないという理不尽な現実に直面する。そんな彼女の前に,青い蝶へと姿を変えたアブソレム(声:アラン・リックマン)が現われ,アリスは鏡を通り抜けて再びワンダーランドに足を踏み入れる。そこで彼女が目にしたのは,帰らぬ家族を待ち続け,悲しみで命の危険に晒されているマッドハッター(ジョニー・デップ)の姿だった。白の女王ミラーナ(アン・ハサウェイ/吹替:深田恭子)に頼まれ,ハッターを助けるために行動を開始したアリス。しかしそれは,時間の番人“タイム(サシャ・バロン・コーエン)”から“クロノスフィア”を盗み出し,時間をさかのぼって過去を変えるという,あまりにも危険な旅の始まりだった…。

原作はルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』。時間を遡るアリスの冒険を象徴するように,鏡に映る時計は逆回りしている。大人になり,これまでのアイデンティティが揺らぎ始めたアリス。鏡とは,新たな一歩を踏み出すために,本当の自分と向き合う暗示でもあるのだろう。

北米での興収が前作の1/4,日本でのオープニング興収も前作比1/3と不評が先行しているが,3D映画ブームと人気絶頂のジョニデに沸いた6年前と安易に比較する必要はないと思う。公開中でありながらすでに世界興収では『氷の王国』を抜いているし,前作よりむしろキッチリとメッセージを伝えた続編であり完結編に仕上がっていた。

ハッターの過去を辿る中で,白の女王ミラーナと赤の女王イラスベス(ヘレナ・ボナム=カーター)の幼少期から続く確執にもスポットが当たる。そして「過去は変えられないが,そこから学ぶことはできる」と気づくアリスを通して,観る者それぞれが“今”という時間の大切さを知ることができる。中盤が少しまったり感じたので★1個減らしてしまったが,視覚・構成とも充分に楽しませてくれる作品だった。

タイムを演じたサシャ・バロン・コーエンが『ヒューゴの不思議な発明』の鉄道公安官であることと,アブソレムの声で出演したアラン・リックマンの遺作となったことも添えておきたい。


映画クタ評:★★★★


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◆シリーズ一覧◆

アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)