ヒューゴの不思議な発明 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Hugo
監督:マーティン・スコセッシ
キャスト:エイサ・バターフィールド/クロエ・グレース・モレッツ/ベン・キングズレー
配給:パラマウント映画
公開:2012年3月
時間:126分




「アカデミー賞受賞」とかいう作品にはあまり興味が湧かないし,むしろ敬遠してしまう。この作品を劇場で観たのは,空き時間と上映時間のタイミングが合っただけだが「最多5部門受賞(撮影賞・美術賞・視覚効果賞・音響編集賞・録音賞)」の事前情報ゆえに,あまり期待はしていなかった。それが良かったのか,エンドロールと共に心を包んだ幸福感と充足感は忘れられないものとなった。

1930年代のパリ。父を亡くした少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は,駅構内の時計台に隠れ住み,時計の整備をしながら孤独な毎日を送っていた。そんな彼の心のよりどころは,父が遺した壊れたままの不思議な“機械人形”。その修理に悪戦苦闘していたヒューゴは,おもちゃ屋で万引きを働いて店主の老人パパ・ジョルジュ(ベン・キングズレー)に捕まり,人形について書かれた大切な父のノートも取り上げられてしまう。そんな中,ヒューゴは老人の養女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と仲良くなり,一緒に機械人形に秘められた壮大な秘密を探ってゆくのだが…。

劇場で観た3D版では,どうしても映像美の方にとらわれてしまったが,DVDでじっくり見るとストーリー上の工夫も多く見つけられる。ファンタジーと思わせて,ヒューゴの目を通して描かれるのは,駅に集う一人一人にスポットを当てたヒューマンドラマ。さらに「映画の父」として知られる実在の人物ジョルジュ・メリエスの映画創世記の逸話を挟んだ,娯楽映画へのリスペクトが映し出されてゆく。ヒューゴとの関わりの中で,鉄道公安官(サシャ・バロン・コーエン)が,パパ・ジョルジュが,傷ついた心の修理をされてゆく。ヒューゴもまた,自身の存在価値を見つけてゆく。

監督は『アビエイター』,『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2014年・パラマウント)のマーティン・スコセッシ。また,現在のところ唯一,ジョニー・デップが出演せずにプロデューサーとしてのみ参加している作品でもある。


映画クタ評:★★★★


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