プラチナデータ | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:PLATINA DATA
監督:大友啓史
キャスト:二宮和也/豊川悦司/鈴木保奈美
配給:東宝
公開:2013年3月
時間:133分




4夜に渡ってお届けした〈銀週邦画祭〉のシメに紹介するのは,またまた東野圭吾原作の映画化作品。個人的に東野圭吾の大ファンって訳ではない(数作は読んだことがある)が,好きな邦画の原作が,たまたま東野圭吾原作だった感じ。緻密で情感的で人気のある原作だから,映画化されても味が出るんだと思う。

2017年の日本。政府は全国民のDNAデータを極秘裏に収集し,あらゆる事件の捜査に活用していた。それは“プラチナデータ”と呼ばれ,検挙率100%、冤罪率0%の社会が実現しようとしていた。科学者の神楽龍平(二宮和也)は,DNA捜査の専門家として警察庁の特殊捜査機関「特殊解析研究所」に所属していた。そんなある日,DNA捜査のシステム開発者の殺害事件が発生。システムが犯人として導き出したのは何と神楽だった。まさかの事態に逃亡する神楽。そんな彼を,現場叩き上げの敏腕刑事・浅間玲司(豊川悦司)が執拗に追い詰めていくが…。

二宮和也も映画への出演を重ねるほどにいい役者になってきたし,大友啓史監督については『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』でも書いたように,スクリーンに独自の〈匂い〉を漂わせることのできる監督で,この作品ではさらに風景と人の〈光と影〉のコントラストも映し出している。けれど中盤まではどうしても『マイノリティ・リポート』(2002年・20世紀フォックス)と被ってしまい,二宮和也vsトム・クルーズ,2017年東京vs2054年ワシントンD.C,国産vsハリウッド,興収26億vs433億,大友啓史vsスピルバーグ…って較べてしまう。

東野圭吾らしさ,大友啓史らしさが際立つのは,自信家の天才科学者・神楽とアナログで熟練の刑事・浅間をはじめとする登場人物の個性とその描き方。その上,神楽が二重人格と判る辺りからの映像と構成の二重螺旋が美しく見事。

でも,原作で外せない存在のスズランが映画版には出てこないのが,個人的にはかなり残念な部分で,★1個減らしてしまった。


映画クタ評:★★★★


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