タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:The Adventures of Tintin: The Secret of the Unicorn
監督:スティーヴン・スピルバーグ
キャスト:ジェイミー・ベル/アンディ・サーキス/サイモン・ペッグ
配給:パラマウント映画/ソニー・ピクチャーズ/東宝東和
公開:2011年12月
時間:107分




クルっとはねたブロンドの前髪と小さなボタンのような鼻,ニッカポッカがトレードマークの少年記者“タンタン”。相棒の白いフォックステリア犬“スノーウィ”と一緒に世界中,海底から月世界までを舞台に駆けめぐり,次々に起こる難事件を知恵と勇気で解決していく。原作『タンタンの冒険』は,ベルギーの漫画家・エルジェによって描かれ,80ヶ国語以上に翻訳,全世界で3億5000万部以上発行されている人気シリーズ。

巨匠スピルバーグが自身初の3D映画として挑んだのが,彼が長年映画化を熱望していたこの作品。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督との夢のコラボでついに実現したファンタジー・アドベンチャー超大作。最新の3Dパフォーマンス・キャプチャー技術を駆使し,役者の動きを取り込んだCGアニメは,原作の世界観そのままに,リアルとイマジネーションの狭間を,迫力溢れる映像で描き出している。

少年記者タンタン(ジェイミー・ベル)は,ある日ノミの市で美しい帆船の模型を手に入れる。それは,海賊レッド・ラッカムに襲撃され,海上で忽然と消えたといわれる伝説の軍艦ユニコーン号。ところがその日以来,なぜか正体不明の男たちに追われることに。やがて模型のマストに暗号が記された羊皮紙の巻物を発見したタンタンだったが,ほどなく謎の男サッカリン(ダニエル・クレイグ)に拉致され,貨物船の船室に閉じ込められてしまう。その後スノーウィに助けられたタンタンは,ユニコーン号最後の船長アドック卿の子孫,ハドック船長(アンディ・サーキス)と出会う。2人は,サッカリンの執拗な追跡をかわしながら,ユニコーン号の謎を解き明かすべく奔走するのだったが…。

実写でもアニメでもない質感のスクリーンを主導するのは,ダイナミックなカメラの動き。タンタンの良き相棒である犬のスノーウィが動きだすと,犬の目線の超ローアングルで周りをとらえ,敵が鳥のハヤブサを放つとカメラは縦横無尽に飛翔する。さらにガラスに写り込む人物など,画面の隅々まで描かれるディテールも含め,実写では撮れない映像とアクションの連続性に魅了される。鍵を握る酔いどれ船長ハドックが浸る幻想の世界の描写も躍動的。キャラとしても,謎を追うタンタンとスノーウィ,そしてハドックのトリオが,それぞれドジを踏む設定と,それを映像で巧みに見せる演出が楽しい。

ちなみに,ハドック船長を演じたアンディ・サーキスは,最近モーションキャプチャーづいてて,『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラム,『キング・コング』(2005年・ユニバーサル)のキング・コング,『猿の惑星』シリーズのシーザー,『GODZILLA ゴジラ』のゴジラなどを演じている。他に,サッカリン役のダニエル・クレイグは6代目ジェームズ・ボンドだし,インターポールの刑事デュポン(口髭の端が上に跳ねてる方)役のサイモン・ペッグは『M:i:III』からシリーズのレギュラーとなったベンジー。較べて見るのも味わいかも。


映画クタ評:★★★★


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