「求めていた答えが見つかった瞬間!」

彼は、一緒に歩んできた妻がたった2時間で、明るく優しく晴れ晴れした声に変わり電話をかけてきたことを驚くとともに、妻は明らかに何かを得たと確信した。

「妻に教えた『それ」を私にも教えてください」
彼は静かに言った。


人は「なぜ」だけを繰り返して行くと、
鬱病になるか精神を病んでいく。

しかし、自分はどうし たいかを問えば、方法は無限に有ることに気づく。

やりたいことによって方法は違うし
その人のもつ特性や環境や状況によっても方法はいろいろだ。


なのに

彼が知りたかった事の答えは得られず
物とお金だけが手元に残った。

生まれつき頭が良く、使い切れないほどののお金を若くして手に入れ、妻も子供も申し分のない誰もが羨む人生を歩んでいるかの様に見えた。

一時は得たかった答えが手に入ったと思った。

でもその胸中は、


これでいいのだろうか。
これが自分望んだことだろうか
これで皆幸せなのだろうか


明るさ、暖かさ、穏やかさとは程遠く、悩みと苦しみの連続だった。

そして渇望しそこに至る方法と思われる事を試した。

しかし学びの中には

いろいろな事を知る機会に縛りを設け、私の言うことだけを信じなさい、こうしないとダメと決めつけたり

飴と鞭を使い

褒美として
守ったら幸せな未来を約束し

罪を創り、
守らないと恐怖と罰を与えた



どんな教えの言葉も
ある面の真実

だけど、自分達に都合のいい言葉にだけに反応したり、都合の良いよう解釈して
聖と邪をつくりたがる
どちらも人の意識が創り出したもの

私達が、生かされている地球という星の
空 、大地を見て風を感じ、無を感じれば

そこには聖も邪も区別無く
ただ存在しているだけ

誰かの教えも
自然に照らして見れば

答えは一目瞭然になる


各民族、それぞれに悟り、
伝わった叡智がある


日本ではそれを宗教としない
みなの中に自然にあるものだから

殊更 言葉にしない
罪と罰を設けない

ブレたら禊によって
穢れ(気枯れ)を再生するだけ


死石(しにいし)、生き石があるという

死石(しにいし)は、表に凸凹がなく
すっかり丸くなってしまったもの

生き石はゴツゴツしデコボコがあるもの
心があり、意思が動き、躍動するものをさす。

日本の言葉は一つひとつの音に意味がある

い→息、生きること
し→指し示すもの

石、意思、自意識、
自分の生きる方向を指し示すエネルギーである

自然の中に答えがある

植物が光の方伸びるのが自然であり素直な事。これが自然の理(ことわり)

私達も自然界の一部なら
明るい方向へ伸びて行こうとするこれを成長という。

それは気づかないほど あまりにも自然なこと、これは人が決めた目的でも、目標でもない。
これが私達の方向性で体内に宿す魂と呼ばれるエネルギー。

私達は感じる動物、
体内の見えない光がもつ特性をたくさんの言葉で表してきた。

明るい笑顔、明るい言葉、目が輝いて、その生き様が眩しく、会うだけでオーラを感じるとか。

太陽の光は公平に降り注ぎ、光は温かい、くっきり明らかにし、また覆い隠す。まっすぐに進み嘘がない。そこは清らかで清々しい場を作る。

赤ちゃんが発しているのもが本来のエネルギー。そこには敢えてこうあらねばならぬなどはない

赤ちゃんは存在しているだけで

私達は
可愛いという
優しい気持ちになり、
穏やかになり
癒され

素直になり
爽やかに清々しくなり
守ってあげたい強さを持ち

笑顔が戻り
愛おしく感じ
明るい気持ちになり
希望を感じる

赤ちゃんの発しているエネルギーは私達が本来のエネルギーに共鳴してくる。

私達は赤ちゃんが大きくなった姿だから。

この世で自分をどう活かして行くのが
体は食欲という欲で生かされている。

日常のほとんどの行動は、
この体を活かして行くための活動、
歯を磨くことも、服を着ることも、会社へ行くことも、お金を得ることもこの身体を育て活かして行くための欲です。
欲を満たすのはどんな手段でもいいかと問われれば。

いやいや
本来の光のエネルギーを、
身体という道具を通して使うのです。

明るい笑顔、正直な行動、分け隔てのない愛情、温かな言葉、輝く瞳、明るい声など生き生きした生命活動こそが大事なのであって

ボランティアをしているとか、会社で働いているとか、子育てしてとかが問題ではないのです。

くっきり眉間に、シワが寄っていた彼の両目から温かい透明なものが止めどなく流れおちた。

彼は立ち上がり私の両手を鷲掴みにした。

「やっと見つけました
あなたこそが我が師」

わたしが答えました。

「いいえ自然こそが私達の師」

ともに学んで自分と周りが幸せを感じるように生きていきましょう。


その眉間のシワは解かれていた。


求めていた答えが見つかった瞬間でした。