人間はなんのために働くのか~ | 素敵な言葉

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偉人の残した名言・格言や、身近な人から聞いた素敵な言葉、
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人間はなんのために働くのか。それは生きるためである。
そして生きるために働くとすれば、生きることが目的で、
働くことは手段ではないのか。
いま私たちは、そこが逆になっているのではないかと感じることがある。

働くことが目的になっていて、よりよく生きてはいないと、
ふと感じることがあるのだ。
人間本来の生きかたとはなにか。
そのことを考える余裕さえなしに必死で働いている。
~~~
自分が本当にやりたいと思うのはなにか。
以前から、やりたいとひそかに願っていたことは?

そういう問いかけは、追われながら走りつづけている日常からは、
うまれてはこない。


(五木寛之著 「林住期」より引用)


50歳からの25年間を「林住期」と言い、
この期間こそ、人生の最も豊かな時期であり、
「黄金期」であるのだと、まずは決意する。
そしてこの林住期は、生活のためでなく、
本当に自分のやりたいと思うことをやるべき・・・・・・
ということを提言されている、同書からの引用です。

50歳からが本当の人生のスタートだという、
まさに「新しい人生観」ですが、
これは、具体的なノウハウが書かれているのではなく、
あくまで「どう考え、どう生きるか」という「思想」だけです。
でもこの新しい人生観が、非常に前向きで大好きです。
僕は林住期まではまだ(もう?)10数年あります(しかない?)が、
今この年齢で、この本に出会えて良かったと、心から思います。

上記でご紹介した文にあるように、仕事(働くこと)で余裕がなく、
自分自身が「本当にやりたい」と思うことを考えることができなかったり、
考えたとしてもいつまでも実行できず、考えるだけで終わってしまう。
そのような方は、実はとても多いのではないでしょうか。

僕も、働き盛りと言われる年齢であるため、日頃はつい、
仕事や日常の忙しさを言い訳にして、
自分の夢や目標に向かって進もうとする意欲が
なんとなく減退してしまうことがあります。
特に「夢」は、少し遠すぎるところにあるためか、
「ひょっとしたら、一生掛かっても叶わない夢なのでは?」
と思ってしまうことも、ないわけではありません。
若くして夢を掴んでいる人や、夢に向かってまさに進んでいる人を見ると、
僕は夢に取り掛かるスタートが遅すぎるのでは?
と思うこともあって、どうしようもない焦りに襲われることもあります。

この本の「あとがきにかえて」に書かれている言葉が、
そんな僕の悩みを、すっかり解消してくれました。

人生をやり直すというのではない。
一から始めることでもない。
青・壮年期を、真の人生の助走期と考えることである。