完璧な塾などない(自学でどう補うかが大事) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 中学受験ではサピックスが最強ではありますが、難関校を狙うには良いカリキュラムですが、やはり完璧とは程遠いものです。

 

 というよりも、完璧というのは土台無理なのです。

 やはりどの塾でもそれなりに欠点があり、塾の授業や課題だけで最大の結果を出すことはなかなか難しいです。10数年前の日能研ならばけっこう行けたのですが、今の受験の流れでは厳しいと思います。

 

 大学受験を考えてもらうとわかりやすいのですが、進学校では昼間の授業を全部つかって受験対策をします。それを各教科週1や2の授業だけで受験対策をすることに中学受験の不思議と醍醐味があるのです。

 

 塾講師側の立場としますと、2時間、もしくは90分2コマで基礎から応用すべてを解説仕切るのは不可能に近いです。例えば算数ならば、10分で1問を解説して問題演習をさせるとなると、15題前後くらいが1回の授業の限界であることがわかると思います。

 

 その限られた時間を「基礎演習」に使うか、「応用力養成」に使うかでまずその塾ごとの特性がでます。以前の「面倒見」の記事でも書きましたが、その時間自体を増やして世話をしようとする塾もあります。

 

 もちろん、うまいこと基礎はぱっぱと済ませて標準問題をたくさんやり、そのクラスの平均レベルの時々刻々とした変化に即座に反応しながら、応用の端くれまで説明できる講師もいますが、それは相当な熟練講師であり、あまりいないと思います。僕も多分無理ですね。

 

 やはり、ご家庭側で「塾のカリキュラム」と「志望校」「今の自分の実力」、を鑑みて不足分を補うことが有効になってくると思います。塾以外の問題集を全くやっていない子、というのはサピのアルファクラスの子くらいでほぼいないと思います。

 

 できれば不足を分析し、何をプラスアルファですべきかを塾の講師側に聞いてみるとよいと思います。また、講師側も言えるようにしておくべきでしょう。それがほんとのプロフェッショナルかなと思います。

 ただ、大体の大手の塾講師は自分のところの塾のカリキュラムしかわかっておらず、井の中の蛙状態であることを付け加えておきます。僕からすれば、「んなアホな」と(明らかに違うので)鼻でわらってしまうようなことを言う方も多いです。(特にベテラン講師か)

 

 ご家庭が納得できないようなカリキュラムはやはり、どこかがおかしいです。もちろん、家庭側は素人なので判断できない部分はありますが、「こうだからこのカリキュラムをしている」と説明されれば、納得できるものです。また、納得した上で勉強をすべきです。時間制限がある上、一度しかないのが中学受験ですので。

 

 各大手塾の傾向は大体以下のような感じです。

・サピックス(グノーブルなども同じ傾向)……上位であれば、サピだけでもいける。が、中位層でアルファに届かないくらいだと、基礎から標準レベルがおろそかになりがち。また、算数でを書く習慣がつかないので、伸び悩むことがある。上位校に入りたいなら、式を作りながらプラスワン問題集などをこなしておくべき。

 算数以外では、文章を書く習慣が付かないので注意がいる。

 また、6年に入ると計算訓練が減りがちなので、基礎トレなどは真面目にしておくことが必須。

 下位2割の場合は、まずパターン記憶から脱し、しっかり読む読解力やウィークリーでいうところの真ん中の難易度までをしっかり身に着けるべき。市販のほかの問題集をやろうとするよりは、サピのカリキュラムの基礎問題をやるほうが良いことが多い。

 

・四谷大塚(早稲アカ含む)……全体的に思考系の長文問題文の難問が不足になりがち。(やらなくていい、と言ってしまうので。サピの子は応用問題レベルでも普通にやっていると思うべき)早稲アカならばそこは早稲アカオリジナル教材で補えるが、宿題が多すぎて手が回らないことがほとんど。上位を狙うなら、早稲アカならオリジナル教材中心でよい。

 問題演習のパターンが一定で、変則パターンに対応できないことが多い。また、予習シリーズ、演習問題集、YTテストの過去問と何度も同じものをするので、無駄が多い。記憶力が高い子にはただの負担。その時間を違う切り口の問題集をするとスムーズに伸びる。ただ、教材のバランスは良いので、それだけでもなんとかはなりやすい。

 

・日能研……文章や式を書く力はつくので、難問対応は意外としやすい。が、日常的に難問にふれる頻度がサピの子よりも少ないので市販の問題集で難問の思考問題にたくさん触れていくとよい。問題のカリキュラムのステップは丁寧なので、中上位までなら行きやすい。

 問題は理社。テキストが白黒、資料集が薄い、テキストの情報量も少ないので、どうしても知識が少なくなりがち。また、夏以降にメモリーチェックを何周もすることに疑問を感じる。春休みくらいが中位以上にはちょうどいいはず。(夏まで買うなと言われるが、そこも疑問を感じる)

 特に上位層にはどう考えても簡単すぎるし、今の首都圏の難関校の問題に全く歯が立たない。どこかでこっそり、理だけでも四谷の「4科のまとめ」シリーズにするとうまくいきやすい。

 

・その他の塾……基本的に四谷を踏襲したテキストが多い。新演習シリーズ(栄光、個人塾)、トーマス、市進学院、啓明舎などいろいろあるが、概して難問が四谷や日能研よりも少なくなりがち。とくに上位校を目指さないのなら、それを完璧にすることで中堅校は十分いける。が、宿題チェックなどがない先生も多く、演習量は減りがち。

 計算力が弱いことが多いので、毎日の計算訓練を必ず維持することと、志望校に合わせて東京出版系の問題集を解くと、上位への道も開ける。ただ、サピや早稲アカの下位の子よりも演習量は少ないのでそこを意識して、少ない問題数でもしっかり身に着ける意識は必要。

 

 といったところでしょうか。やはり基礎から応用まであますことなくやってくれる塾などはありません。どこかでは、ご家庭側で考えて能動的に補っていく意識が必要だと思います。

 うちの母親も、関西の塾は小6になると応用内容が圧倒的に多いので、僕に対して、基礎的な問題集をさせていたこともあります。ま、効果はあったかなとは思います。

 

 ここで他塾の動向などを知ることも戦略を立てる上では良いことだと思います。基本サピの子をどうやって倒すかを考えていれば、間違いはないですね(笑)

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

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お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

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