知性は言語力と推察力の両足で旅をする | お受験ブルーズ

お受験ブルーズ

現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 中学の実験でこのようなものがあったと思います。硫黄の粉と鉄粉を混ぜ、混ぜたのものの表面にガスバーナーを近づけると、あっという間に反応が燃え広がって硫化鉄ができるという実験です。

 

 これの面白いのは、鉄の硫化自体が「発熱反応」なのでいったん始まると、隣の原子にも作用して、隣の原子どうしの反応を引き起こします。すると、最初の種火となる反応を起こした後は、放っておいてもきれいに反応が全体に広がるのです。硫黄と鉄はしっかり混ざってないといけませんが。

 

 この実験が中学のころ非常に印象的で楽しい実験でした。今もかなりはっきりと覚えています。(今は公立中などではしないところもあるようです)

 

 これが、人の知的活動と同じだな、と今朝思いました。知性というのは、ある程度のきっかけがあれば、あとはひとりでに好きな方向に広がっていくものなのだと思います。

 

 成績が振るわなかったり、塾や学校についていけないという子を見ますと、普段の言語も多様性を欠き、お母さまの言葉もあまり理解していないな、と思うことが多いです。

 

 つまり、基本的な言語の「理解力」が乏しいために、

・(授業などで)先生が何を言っているかわからない

・(漫画や映画を見ても)本当の面白さまで到達していないのですぐ飽きる

・(大人が叱っても)なんで叱られたのか分かってないから繰り返す

 のようなことがあると思います。

 

 物事を理解する、ということには言語力のほかにも、「推察力」がいると僕は感じています。平たくいうところの「思いやり力」です。

 あ、この人、今こういうことを言おうとしてんだろうな、言いたいんだろうな、と表面にはちゃんと表れていなくても、「推察」してあげるのです。これが試験でも問題文解釈力、ひいては得点力につながります。

 

 推察力が高い子は、たとえ教えるのが下手な先生であっても、ほかの子よりも多くを持って帰っているものです。そのような子が良い先生に当たった時、それはもう爆発的に伸びます。(良い先生の定義も難しいですが)

 

 読書をこのブログでも勧めまくり、どんな生徒さんにも大抵読書の話をするのは、この「言語力」「推察力」の両方を鍛えられるのが、読書しか見当たらないからでもあります。ほかに何かあるならぜひ教えてほしいですが、まあ世のたいていのものを僕は検証しています。費用が比較的安価で副作用(悪い影響)がすくなく、安心して勧められるのは読書くらいではないでしょうか。

 

 ただ、難しいのは推察力の方で、これは本当に、精神的な『格』そのものがかかわってくると思います。推察力(思いやり)がある人が、戦争するとは思えませんし、人類の歴史上でも推察力に欠ける人が上に立ってきた歴史もあると思います。

 

 例えば、人の「痛み」をしっかり知るには、殴られた経験がないといけません。成績の悪い子にやさしくなるには、自分も頑張ったのに伸びなかった経験がないといけません。偏差値の高い進学校に多いやさしいタイプの子は、やはり中学受験時代などに嫌な思いをたくさんしていることからくるものだと思います。(僕も全くもってそうです)

 

 本当は、思いやりがしっかりある子なら、ある状態を見聞きし、正しく知りさえすれば、経験しなくてもわかる部分があると思うのです。(だから読書などで「知る」ことも重要)

 ですが、逆に「オレはこんなに苦しんだんだ、お前も苦しめ」という志向になる方もいたりして、本当に『格』なんだな、と思うのです。

 

 幼稚園や小学低学年時に、「他人の気持ちを考えなさい」とよく言われたと思うのですが、これは一生言っていった方がいいと思いますし、大人にも口酸っぱく言っといたほうがいいと思います。

 

 意外と成績の悪い子でもこのあたりは持っている子は結構います。そういう子たちは、それこそ知識をつけて、たくさん他人に説明とかプレゼンの練習をして、知力を付けていけば良いと思います。

 

 いったんある程度の知性が付くと、「あれはどうなんだろう?」「あれも読んでみよう」「もっと知りたい」という欲が自然と出てきて、いろいろなものをたしなむようになります。知性が発達すると、またさらに知りたくなって知性が深まり、さらにその深まった知性がさらに欲して……、と無限に一人でに反応が広がります。そして、いつの間にか他人と差がついていくものだと思います。(ある程度までいくと他人は意識しなくなるといいます)だから、最初の「きっかけ」を大人側が促して作ってあげることが大事です。いったん作ったらもうあとは放っておいても大丈夫なはずです。

 

 これらの中には漫画やゲームなども含まれますが、やはり開成に行くような子ほどそのあたりのサブカルが好きな側面もあります。(ただ、やりすぎて身を持ち崩すのでこのブログではゲームはおススメしていません)

 

 「言語力」と「推察力」という鉄と硫黄に、「情熱」というガスバーナーで火をつけましょう。このようなことを意識するだけでも十分変わります。そして、できれば読書をガンガンしてほしいと思います。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

夏のスーパーコンサル2016始めました。究極の受験セカンドオピニオンを体験してみませんか。ご希望の方はメールをください。(夏は終わりましたが、ご希望ならばまだ可能です)

 

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

教え子の医学部留学生がブログをはじめました。医学部にご興味のある方はどうぞご覧になってください。医学部生のきつさや海外生活なんかの赤裸々なところがわかるかもですよ、むふふ。

こちらです。 http://ameblo.jp/harryhawk-bp/entry-11385618245.html お勉強BLOGЯanK お受験ブルーズ-ランキング1 お受験ブルーズ-ランキング2   ←たまにクリックしてもらえるとうれしいです。