小中一貫より先にすべきこと | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 中高一貫校において、一番怖いのが、中3高1などの中だるみ期です。中高一貫校では高校受験がなく、定期テストだけではピリッとしないのです。

 ただ、やはりハイレベルなカリキュラムが組んである中上位校では、そうはいっても普段の宿題などをこなしているだけで、相当な学力になります。中2中3をなんとなくでもついていっていれば、高校受験の勉強をしている子たちに匹敵する学力を持ちます。

 実際、僕自身も高校受験の勉強は1秒もしてはいなかったのですが、同時に受けさせられたウチの高校の入試の合格ボーダーは突破できていました。ということは、高校受験の勉強をしていないにも関わらず、普通に外部受験していても受かっていたのです。
 
 ただ、これが大学付属校になってしまうと、中だるみは相当なものがあります。大学まで行けてると舐めきった子たちの侮り方は、すごいです(笑) やはり、普通の進学私立校よりも、大学付属校の方が、取り返しがつかないほどのサボりっぷりは多くみられます。

 もちろん、教師陣の方でプレッシャーをかけたり、フォローしていけばいいのですが、見た所、進学校ほど追試をする先生は少ないし、必死で学力をフォローしようという例も少ないようですし、先生個人の裁量に任されてしまっています。

 つまりは先生次第、ということです。これは結構危険です。

 良い先生に当たると、確かにいろいろやってはもらえますが、その先生は基本的に放課後の忙しい時間を使ってそのようなことに当たるので、タダ働き同然なわけです。とんでもなくやる気のない生徒に対して、そのような慈善事業をやる気、おきますでしょうか? 学校で制度としてフォローするのとは、かなりの違いがあります。


 さらに、今、僕が懸念していることがありまして、それは「小中の一貫化」です。これがやはり、中だるみ等々の理由で非常に危険かな、と思います。

 今現在も港区などで進められているこの制度なのですが、やはり公立では意味が薄いと思います。学力に絞った形で論じていきますと、

・小学と中学では、学ぶ上での効率化が図れない
 ……中高ですと、似たような分野を習うことが多く、数学なら数学で、中高一貫ですと中学からある程度大学受験を意識した、つまり高校内容のエッセンスを入れたものにすることができます。似たようなことは、理社でも行われていて、国語の漢字なども6年間で最初から大学受験用に相当にやります。これが非常に意味が深いことなのです。

 が、公立では算数と数学をつなげることはかなり厳しく、やらない方が良いと感じます。理社なら少しは効果があるかもしれません。が、まずは実験の回数などを拡充してほしいと思います。英語は、小学生からしっかり文法をやるならば、意味があるでしょう。
 が、それも国語をしっかりやり、論理力をしっかり伸ばす事の方が先決です。今の公立では平均して文章を書く機会が少なすぎます。結果、感覚や感情で生きる生徒が多すぎます。これは幼い時から文章を書いたり、発表したりする機会が極端に少なくなったことが影響すると、かなり確信できています。

 英語など、今の小学生の言語力では100年早いです。アメリカに行ってやればいいです。(言い過ぎか、笑)


・中だるみ感が半端ない
 ……僕はある程度人間関係が切れた方が良いと思っています。僕自身も大学生になる時に、新しい自分生活(髪を伸ばしたり、いわゆる大学デビューかw)を切ることができましたし。

 ですので小学校のクラスは毎年変えるべきですし、6年も同じメンバーでいることより、新しいメンバーとふれあい、人間関係で悩んだりすることが大事だと考えます。また、いじめなどは閉鎖空間に同じメンバーで閉じ込められる時に起きやすいものであり、その意味でもいじめの重篤化を懸念します。このあたりは尾木ママとして知られる尾木直樹先生も言っておられました。
 子供の集団の性質に直に触れる現場の先生ならばが感じていることでしょう。

 公立小の問題点は、小4,5と進むに従い、「なぜ学校にこなければいけないのか」感が出てくることにあります。なんか勉強するところでもなさそうだし、いろいろとメンドクサイし……、と言った疑問が湧くのです。

 小中をつなげ、変化を乏しくすると、この感覚がより大きくなるでしょう。「中学はしっかり勉強するところ」という小学校とは別のピリッとした雰囲気を作っておくべきです。今は中3になれば、意識の高い子はさすがにピリッとしていますし、それに引っ張られるように多少はクラスの雰囲気も上向きます。
 小中の一貫化はより大きな中だるみ感を生み、中3のころに落ちこぼれる率が増えることが懸念されます。いくつかの学校ではすでにそのような問題点も出てきています。

 私立の学校であっても「勉強しにくるところ」というレーゾンデートル(存在理由)がはっきりしているからこそ、6年間に意味があり、中だるみしても学力は高く保たれるのです。それが生きる力がどうの、人間勉強だけじゃないから……など、はっきりしていない学校では、どことは言いませんが御覧なさい。ダメではないですか? 私立小でも一貫化をビジネスとして目指す学校が多いですが、このような理想とリスクを考えておかねばならないでしょう。

 学校では勉強や教養がまず第1であることは歴史を見ても明らかだと思うのです。勉強が第一でない子たちには、スイスのように職業訓練できる別ベクトルの学校を拡充すべきでしょう。林業や職人芸の伝統など、消えかかっている素晴らしいモノに目が行かなくもなっています。

 自身に意義を与えない学校が9年間も続けば、問題は今のモノがいろいろと悪化し、日本が良くなることはあり得ない、と思います。すでに普通に公立小から公立中にいく子たちは、いろいろと制度に振り回され、難化したカリキュラムに右往左往している状況です。
 
 まずは、学校に「何をしに来るべきところなのか」それを各学校がはっきりさせ、制度にも現し、先生方の指針にも一本筋を通し、ゆとりでゆるみきったタズナを締め直せばよいのです。少なくとも昭和にはありました。何も大仰なことをする必要はありません。

 現場感のない改革には、賛成しにくいですね。

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