山梨県笛吹市で06年3月、県立山梨高定時制教諭、岩間友次さん(当時59歳)が、約24年前に担任した教え子の男に刺殺された事件があり、妻常美さん(55)が「公務外災害」とした処分を取り消すよう求めた訴訟で、甲府地裁(太田武聖裁判長)は19日、公務と事件の因果関係を認め、地方公務員災害補償基金に処分の取り消しを命じた。

 判決によると、男には精神疾患があり、精神障害になったのは岩間さんのせいだと思い込み、卒業後もたびたび勤務先の高校に押しかけて抗議するなどしていた。常美さんは「卒業後の指導も公務に当たる」として06年9月、同基金県支部に公務災害認定を請求したが認められなかった。

 常美さん側は訴訟で、卒業式前日、式への出席を拒んだ男を岩間さんが熱心に説得したことが男の被害妄想の原因であり、公務に起因すると主張。判決は訴えを認め、「長期にわたる迷惑行為の延長線上で事件が起きており、経緯が異常とはいえない。因果関係に欠けるとして対象外とすることは制度の趣旨からみて相当でない」とした。【中西啓介、水脇友輔】

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