「源氏絵巻縁起」第一帖「桐壺」2 | 辻村寿和Collection「寿三郎」創作人形の世界

辻村寿和Collection「寿三郎」創作人形の世界

創作人形作家辻村寿三郎の作品を皆様にご紹介いたします。

本日より群馬県高崎市の日本絹の里で人形展を開催中です。

展示作品の一部をご覧下さい。

源氏絵巻縁起

ジュサブロー館の創作日記

いづれの御代に、と申しておきましょう。

そんな遠い昔、今では絵巻物で想像するしかありませんから、

それは美しい御代にと申しておくのです。


第一帖「桐壺」2


ジュサブロー館の創作日記

はかない命が帰らぬ物となった桐壺の更衣の里へ、帝は
靫負命婦を遣わして更衣の母親を慰め、
遺児若宮の参内を促した。


ジュサブロー館の創作日記

 庭では月光に照らし出された秋草が生い茂り、従者達さえも
涙を隠せなかった、、、しみじみと哀れな秋の夜の光景。


ジュサブロー館の創作日記


桐壺亡き後帝は、この若宮を大変かわいがり、
皇嗣にと懇願したのだが、
強力な後ろ盾が無ければその地位を保つことは
とうてい難しく断念するほかなかった。

 そのころ渡来した高麗の相人の観相によると、
「この若宮は帝王足るべき資質を有しているが、
もしも帝の位に就いたら国が乱れるであろう、
さりとて国政を補佐する臣として終わる器でもあり得ない。」

とさしもの相人もその将来は予見できなかった。

ジュサブロー館の創作日記


ジュサブロー館の創作日記


光源氏は十二才で元服したが、その儀式は帝みずからが采配を振って、
宮中の清涼殿で盛大に執り行われた。


ジュサブロー館の創作日記


その夜、光源氏は加冠の役をつとめた左大臣の姫君の葵の上と
結婚する。左大臣の婿として新たな人生をあゆむこととなった。

ジュサブロー館の創作日記

第一帖「桐壺」