大前研一ニュースの視点~  の一部

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▼ヤフーに来てからのマリッサ・メイヤーは、自分の懐にお金を入れただけ
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米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズは13日、米ネット大手ヤフーの中核事業の買収手続きを完了したと発表しました。
ヤフーは社名を「アルタバ」に変更し、中国のアリババ集団や
日本法人・ヤフーの株式などを管理する投資会社となります

2012年からヤフーを率いてきたマリッサ・メイヤーCEO
退社するということですが、私は彼女のことを全く評価できません。
ヤフーに来てからの実績と言えば、アリババの株を売却して利益を出しただけです
しかも、その理由はヤフーという会社のことを考えたものではないと私は思います。おそらく自分自身のボーナスが会社の利益に連動していたことが大きく影響しているでしょう。


会社にとって重要なことには何一つ着手せず、自分のポケットに入るお金のことしか考えていなかった、と私は感じています。

 

ソフトバンクの孫社長が、ヤフーに対して独自の検索システムを
作るべきだったという指摘をしています。

 

ヤフーはもともとエディターが人海戦術でサイト情報を蓄積し検索サービスを提供していました。

 

そこに1998年グーグルが登場します。

 

 

グーグルは全自動でロボットによって世界中のコンピューターに
アクセスし、検索情報を蓄積しました

 

ここに、両者の間に大きな力の差が生じました。


ヤフーもしばらくはグーグルの検索データを利用させてもらっていましたが、結局、差別化もできず、何ら特徴も打ち出せないままでした。

日本のヤフーは故・井上氏の手腕もあり、独自の成長を遂げました。
また井上氏の後は、スマホシフトに成功しています。
米ヤフーはスマホ対応が遅れ、PCで終わってしまったのも残念な点です。
米ヤフーについて打てる手はいくつもあったはずです。
しかし、グーグルでは輝かしい実績をあげたメイヤー氏は、残念ながらヤフーでは自分の懐を潤すことしかしませんでした。
自分のポケットに多額のお金を取り込んだ一方で、彼女は汚名をかぶって辞任していくのだと私は思います。

 

 

※この記事は6月25日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています