独VW、上海汽車とのアウディ販売契約凍結、第一汽車のアウディ販売拒否に出会う。強行はできない!

2017年01月20日 11時05分30秒 | thinklive

独フォルクスワーゲン(VW)が中国での高級車「アウディ」の販売を巡り、新たなトラブルを抱えたことが2日分かった。中国最大手の上海汽車集団と11月、新たに同国でアウディを共同で販売する契約を結んだことに対し、これまで販売してきた別の大手の第一汽車集団側が反発したのだ。第一汽車系販売店の販売ボイコットに発展しかねず、混迷が続けば中国市場への依存度の高いVWの打撃は大きい。

アウディの入荷は今日から全て中止した。どのように頼まれても、絶対にうちはアウディ車を受け入れない」12月1日、中国南部、広東省深セン市にある第一汽車系の販売店。営業を担当する27歳の男性の劉氏は、そう言って憤りをあらわにした。

 

事の発端は11月11日だった。VWがドイツの本社で、中国で上海汽車と共同でアウディを販売するという新たな契約を結んだことにあった。中国メーカーで群を抜く首位である上海汽車の販売力にVWは期待を寄せる。これに怒ったのが、上海汽車の最大のライバル企業、第一汽車だ。

 

 無理もない。第一汽車はすでにVWと提携し、アウディの中国販売を手掛けてきた。それなのに、VWは上海汽車ともアウディの販売を手掛けるというのは「業界における禁じ手だ」と、既存販売店は一斉に反旗を翻している。


 というのも、VWをはじめ多くの外資系メーカーは中国市場参入に当たって、地元中国メーカー2社との提携を基本としている。そこで重要になるのが公平性だ。

 合弁相手の2社に対して、売れ筋の車をうまく振り分ける必要があるのだ。例えば、トヨタ自動車なら、売れ筋のうち「カローラ」は第一汽車との合弁で手掛け、「カムリ」は広州汽車集団との合弁という具合に分けて事業を展開している

 この暗黙のルールを今回破ったのがVWだ。従来、アウディは第一汽車との独占的な事業だった。それを上海汽車とも今後やるというのだから、第一汽車系の既存販売店が怒るのは当然だ。

 第一汽車系によるアウディの販売ボイコットは広がる気配を見せている。VWと上海汽車は来年3月までに再度、提携について協議の場を持つことを余儀なくされており、提携内容の見直しも迫られる。上海汽車側の販売開始時期などが見通せなくなった。

VW全体の収益の約半分は中国からその莫大な利益の源泉はVWブランド車ではなく、実は高級車のアウディにある。アウディは中国の中央・地方政府幹部がこぞって乗る公用車となっており、収益力は抜群でVW1台の約3倍とされる

 そのアウディが習近平指導部による倹約令の影響を受け、15年、公用車の45%削減の方針が打ち出されたことで途端に勢いを無くしたのだ。一方で2位以下の独BMWや独メルセデス・ベンツの猛追を許しており、VWはこれ以上、アウディで取りこぼすわけにはいかない。そんな底知れぬ焦りが、禁じ手ともいわれる今回の提携に向かわせた背景にある。*日経(広州=中村裕)

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