当然の安倍首相批判をすると“「イスラム国」より”のレッテル張る産経。萎縮の政治家・マスコミ



孫崎 享 さんの記事です:
Date: Fri, 06 Feb 2015 06:23:25 +0900
Subject:


ネットで当然の安倍首相批判をすると“「イスラム国」より”の批判が殺到した。これは単に「ネトウヨ」という人特有の現象と思ったが、産経新聞も同じ手口を使っている。


 先ず、2月4日産経新聞は“「イスラム国寄り」?発言、野党・元官僚続々”で指摘された人々の表を見てみたい。


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・民主党枝野幹事長「(安倍首相の人道支援言明が)口実をあたえるようなことになっていないか検証していきたい(1日都内記者団に)」


・民主党徳永エリ参議院議員「人道支援とはいえ資金援助を大々的に記者会見でアピールする、テロ組織を刺激したことは否めない」(1月21日フェイスブック)


・共産党池内沙織衆議院議員「こんなにも許せないと心の底から思った政権はない国の内外で命を軽んじ続ける安倍政権。安倍政権の存続こそ言語道断(1月25日ツイッター後に削除)


・社民党吉田党首「首相の中東訪問の時期、演説の英訳が口実を与えることになったのでないか(2日の記者会見)


・小沢一郎代表「日本も敵だととらえられても仕方がない。(支援表明は)イスラム国には宣戦布告ともいえる(1月25日のNHK番組)


・柳沢協二元官房副長官補「事件を解決する、無事に救出するため、メッセージを出した本人(首相)が辞めることをやってみる価値がある(一月二一日のインターネット番組)


・孫崎享元駐イラン大使「安倍発言で殺人の引き金」(ツイッター)「相演説が殺害契機は明白」(ツイッター)


・古賀茂明元経済産業省課長「有志連合の仲間にいれて欲しいが首相が本当は願っている空爆や武器供与は出来ない。“アイ アム ノット アベ”のプラカードを掲げ、日本人は敵ではないといっていく必要がある(テレビ朝日番組)


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 極めて妥当な発言である。これらでもって、“「イスラム国」より”という判断がどこから来るのか。各々は安倍首相の行動が殺害を招いたと指摘している。それは明らかな事だ。明らかな事実を凶悪なイスラム国よりというイメージ操作をする産経は悪質だ。


 なお、これらの発言で、フェイスブック、ツイッター、インターネット番組が引用もとになっていることに注目願いたい。逆に言えば、大手メディアではほとんど報道されなかったことを意味する。それは安倍政権の御用メディアになり安倍政権の政策を批判できない大手メディア堕落をも同時に意味する。


以下、産経新聞報道内容


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■「口実を与えたか検証」「殺人の引き金」


イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の日本人人質「殺害」事件をめぐり、安倍晋三首相の対応が「(事件を起こす)口実を与えた」といった指摘が野党から相次いでいる。「話ができる集団ではない」(菅義偉(すが・よしひで)官房長官)相手との交渉の余地がない中、「イスラム国が口実とした」とは表現せず、政府の責任追及の材料とする意図が透けてみえる。こうした批判は過去に政府の中枢を担った元官僚からも続出している。(酒井充)


 ◆首相「気配り不必要」


 「質問はISIL(イスラム国)に対し批判をしてはならないような印象を受ける。それはまさにテロリストに屈することになる」


 首相は3日の参院予算委員会で、質問に立った共産党の小池晃政策委員長を、こう突き放した。小池氏は首相が1月17日にエジプトで行った演説で、イスラム国対策として2億ドル(約236億円)の人道支援を表明したことを追及。「拘束された日本人に危険を与える可能性があったのではないか」と再三問い詰めた。


 首相は「過激主義と戦うイスラムの国々をしっかりと支援していくと表明することが極めて重要だ」と強調。「テロリストに過度な気配りをする必要は全くない」と声を張った。


 共産党も含め野党各党はイスラム国を非難しているが、小池氏のように「イスラム国側に立った視点」も目立つ。民主党の枝野幸男幹事長は1日、首相の支援表明について「口実を与えるようなことにつながっていないか検証したい」と記者団に語った。言葉を選びつつも、口実を与えた可能性があるのは首相だと言わんばかりだった。


 イスラム国に対峙(たいじ)する中東諸国への2億ドルの人道支援の一部は、平成26年度補正予算案に盛り込まれている。政府が補正予算案を閣議決定したのは、人質事件が明らかになった1月20日より前の1月9日。この時や首相演説時に懸念を示す野党は見当たらなかった。


 ◆解放へ首相辞任提案


 イスラム国側に一定の理解を示すような言動は元官僚からも出ている。


 駐イラン大使の経験がある孫崎享氏はツイッターで「安倍発言で殺人の引き金」などと投稿。小泉純一郎政権などで5年近く安全保障・危機管理担当の官房副長官補を務めた柳沢協二氏はインターネット番組で、人質解放のための首相辞任を提案した。


 元経済産業省官僚の古賀茂明氏は1月23日のテレビ朝日番組で、「首相は有志連合の仲間に入れてほしいと思っている」「首相は本当は空爆や武器供与を願っている」と根拠不明の持論を展開。外交や危機管理の専門家とは言い難い古賀氏の主張は6分以上続いたが、司会者が逆の立場から発言することはなかった。


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 日本は本当に危うい国になった。安倍首相の発言がイスラム国による後藤さんの殺害につながったことは間違いない。当然の責任追及だ。しかし、こわくて、マスコミ、政治家でそれを行える人はほとんどいない。かろうじて何人か発言すると「イスラム国より」とレッテルをはり、魔女狩りのような現象を起こす。
 


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