孫崎 享 さんの記事です:
Date: Sat, 05 Jul 2014 08:12:21 +0900
Subject: 20代の世代へ 貴方達は集団的自衛権をどう考えるか
本当は政治が最も影響を与える世代は若い世代である。
だから多くの国で政治闘争が起こる際には若い世代が中心になる。日本でも1960年安保闘争が起こった時には大学生など若い世代が中心だった。
その後日本は世界第2の経済大国になった。
若い世代はその果実を、努力なしに手に入れることが出来た。
しかし、今、確実にその基盤が崩れ始めた。
労働環境は正規雇用の減少で現れた。この傾向を促進するのは、非正規の幅を拡大し企業利潤の幅を増大させようとする労働法等の改定による。
TPPであれ、原発再稼働であれ、本来的に最も影響を受けるのは若い世代である。
しかし、概して若い世代の政治関心は相対的に低い。
今、集団的自衛権の問題が出てきた。
本質は隠されているが、集団的自衛権は米国の戦略(先制攻撃を含む)のために自衛隊を使うことである。そして戦闘が起こる。当然自衛隊員が死亡する。
この問題について4日朝日新聞は次の記事を書いた。
「「石破(幹事長)がいいたかったことは、「普通の国になることの「代償」、そしてリーダーには”血を流す覚悟”が必要だということだった。しかし安倍はこの点に触れたがらない」。
戦闘があれば確実に「血を流す」事態が起こるのだ。
ではこの血を流す世代はどの世代か。安倍氏の世代ではない。石破氏の世代ではない。若い世代なのだ。
4日東京新聞は「集団的自衛権の行使容認が閣議決定された一日以降、自衛隊の採用説明会の案内が全国の高校三年生の自宅に届き始めている。」と報じた。
自衛隊員に入って血を流す世代は、若い世代なのだ。
今米国で誰が軍隊に入っているか。
高い理想に燃えて入っているのか。それだけではない。
失業で、職を得られず、やむを得ず軍に入る層が多い。
更に大学生が学業資金をローンで得て、卒業後その返済が出来ないことが解り、返済に助力する軍に入るケースもある。
したがって、「理想に燃えて入った」のだから自己責任という以上に、社会現象を反映してである。
今ソーシャルメディアなどで若い世代に「とんでもない」と発言する人々が増え始めた。是非考えてみて欲しい。
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http://ch.nicovideo.jp/article/ar570046
孫崎 享
駐イラン大使
外務省国際情報局*長 1997年-1999年
駐ウズベキスタン大使(初代) 1993年-1996年
*米国のCIA,英国のMI6などに相当する
日本の情報局です。でも日本の場合は攻撃性
がないですね。
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