日本政府が中国政府との間の約束(密約)を破ったままにしておく間しつこく継続するのは当然のこと。


安倍政権は野田政権が犯した過ちに関して中国政府に謝罪しなければ

なりません。

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軍事委員会主席として行動するときは、胡錦濤の場合も江沢民の場合もそうだったが、必ず軍服を着るのが決まりだ。そして、習近平は軍服を着て現れ、「広東軍区」を視察した


習近平は広東軍区の海軍基地に行き、南シナ海を守備範囲とする艦船「海口艦」に乗って詳細に視察。甲板に上がって望遠鏡で遠方を見たり海軍兵士と談笑し、昼食時には船員(戦闘員)たちとともに船員食堂で食事もしている。その姿がCCTVで大きく映し出された。


そして三カ条の訓示


1.どんなことがあっても、党の言うことに従うこと。それは強い軍隊になるための基本的な魂だ。いかなることがあっても、党の軍隊に対する絶対的な指導権を揺るぎなく肝に銘じるのだ。いかなる時もいかなる状況にあっても、党の言うとおりに行動し、党についていくこと。


2.いつでも戦闘ができ、戦うからには絶対に勝利を勝ち取るというのが強軍たるものの要だ。戦闘態勢の基準に沿って、常にレベルを上げ準備を怠ってはならない。わが軍が「召集されたらすぐに集まり、集まったらすぐに戦い、闘ったら必ず勝つこと」を常に確保できるようにしておかなければならない。


3.法を以て軍を治める。厳格に軍を統治することは強軍になる基本だ。必ず厳正なる生活態度と鉄の規律を保ち、部隊の集中的な統一と安全安定を確保すること。


習近平は「新南巡講話」と呼ばれたこのスピーチの最後に「中華民族の偉大なる復興」に触れた。


中華民族の偉大なる復興」という言葉は、習近平が総書記および中共中央軍事委員会主席に選出された第18回党大会一中全会(第一次中央委員会全体会議)のスピーチで使った言葉だ。これはまるで習近平政権のキーフレーズのように、一中全会以降、CCTVで放映しない日はない


「大国のプライド」で前のめりに

日本にとって重要なのは、このキーフレーズを用いることが何を意味しているかである。


復興という言葉だけみれば、経済成長を意味しているように見えるが、これには「かつてアヘン戦争(1840年)以来列強諸国に踏みにじられて植民地化され、日本侵略によって蹂躙を受けた民族の屈辱を忘れず、中華民族がいかに偉大であるかを人類に見せつける」ことをも意味する。


従って習近平政権になっても「中華民族に誇りを持て」という「愛国主義教育」は緩めず、「中国共産党がいかに日本侵略を勇敢に戦ったか」を強調することはやめないということだ。その結果、「反日傾向」は加速するだろうということを示唆している。もう一つは陸軍を中心としていた中国人民解放軍が、民族の誇りを高めるために海軍空軍強化に徹底した重点を傾けていくということだ。昨年11月8日の第18回党大会における胡錦濤の総書記としての最後のスピーチでも、そのように宣言している。


これらすべてを象徴的に表しているのが、12月13日の尖閣領空侵犯なのである。


時間も「11時少し前に到着し、11時10分ごろには飛び去った」という、ピッタリ「11時」を挟んだ飛行時間帯であったことに注目していただきたい。


中国と日本の時差は1時間。つまり日本時間の「11時」は中国時間の「10時」。この瞬間、南京市では、近隣にまで鳴り響く巨大な音のサイレンが全市を覆い、全市民は全ての動作を止め、運転していた車も止まってクラクションを鳴らし、1937年12月13日に亡くなった犠牲者への黙祷が始まっていた。


サイレンの音に合わせて、尖閣の領空を中国の航空機が飛び、尖閣の領海ギリギリを中国の海洋監視船が巡回する。

 そしてサンフランシスコを始め、全世界に散らばる華人華僑が同時に街頭に出て、あるいは集会所に集まって、その黙祷に呼応したのである。私のパソコン画面には、サンフランシスコに拠点を置く華人華僑の団体代表から、「屈辱の日、南京大虐殺75周年記念日を忘れるな」というメールがCCで入っていた。


習近平体制の対日政策を読み解くのに、これほど具体的な現象はほかにない。


事態は深刻だ。射撃管制用レーダーとは、艦艇に搭載されたミサイルなどを発射する際に照準を合わせるための装置だ。2月5日にはミサイルは発射されず、その準備の練習をしただけだろうが、米国が素早く中国に警告を送ったことからも分かるとおり、これはもう一触触発の状況にあると解釈していい。


尖閣問題の鎮静化には日中首脳会談が不可欠だが、1月25日、日本の公明党の山口代表と北京の人民大会堂で会談した習近平は、前向きの姿勢を示している。その際習近平は「日本がそのための環境づくりをすることを望む」という趣旨のことを述べている。公明党は自民党と連立内閣を形成している与党。領土問題で激しい衝突を招いた民主党時代では考えられなかったことではある。


しかし、今回挑発しているのは中国側だ。


しかも中共中央軍事委員会の直接の管轄下にある中国人民解放軍の海軍が動いた。

行政側の国家海洋局のミスではない。


国内事情と意識のズレが重大危機を呼ぶ


中国共産党指導体制は、中国の経済発展を保障することによって統治の正当性を主張し、貧富の格差を是正することによって人民からの支持を得ようとしている万一にも戦争などになったら、一人っ子の命を奪うことになり、その親たちが許しはしないだろう。統治の正当性を逆に失う。だから、いかに彼らが挑発しようと、戦争に持っていくことは考えにくい。


となると、彼らの意図は日本から譲歩を引き出すために威嚇しているということになる。しかし「威嚇の範囲」と考える程度は両国で異なっている。野田内閣の時の尖閣諸島の「国有化」に対する概念の違いよりも大きい。


そして今回見たように、領土問題を民族の屈辱に結び付けている限り、中国は「威嚇の範囲」を拡げこそすれ狭めることはないだろう。なぜなら「民族の誇り」とリンクしているからだ。中国が経済的に発展すれば、自然と消滅していくどころか、「大国の威信の傷」ととらえて、エスカレートする危険性すらある


この危険性を日中両国が見抜かなければならないと思う。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130206/243379/?P=4