私が「月間100ミリシーベルト」を許容する理由
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111012/223166/?ST=rebuild


オックスフォード大学で、40年にわたり、素粒子物理学を研究、指導してきたウェード・アリソン名誉教授が急遽、来日した。彼が日本の人々に伝えたいメッセージとは、「現在、日本が採用している放射線に対する安全基準は厳し過ぎるため、被害が拡大している」というものだ。


以下は部分的抜粋です。


「今回、私が、日本の皆さんに強くお伝えしたいことは、現在、日本では誤った安全基準に基づき、政府から指示や勧告が出されているため、放射線そのものが与える直接的な健康被害以上に大きな被害がもたらされているということだ。


単刀直入に言おう。


今の放射線を巡る安全基準の数字と本来あるべき数字との間には、非常に大きな隔たりがある。それが、強制避難による家族やコミュニティの崩壊、精神的苦痛、風評被害による経済的損失といった悲劇を生み、被害を拡大しているのである。


また、国全体としても、余分な社会経済的コスト、罪のなすり合い、国民の政府に対する不信感、恐怖心を増幅させている。」


「しかし、今回、避難区域の規定に使われたこの年間20ミリシーベルトという値はあまりにも厳しすぎる。その結果、福島の避難区域は大幅に拡大してしまい、本来、退去の必要のない大勢の住民が避難を余儀なくされている」


放射線による健康リスクはあまりにも過大評価され過ぎていたということであり、ICRPの安全基準は見直す必要があるということだ。私はここで、人体の放射線被曝に関する新しい安全基準を提言したい。それは、1回に浴びる「単回急性被曝」であれば100ミリシーベルト複数回にわたって浴びる「複数回慢性被曝」であれば月間100ミリシーベルト、そして、生涯にわたって浴びる「生涯線量」は5000ミリシーベルトである。

この水準でも、放射線のガン治療によって健康な細胞が浴びる月間線量の200分の1程度に過ぎない。それゆえ、将来の議論の行方によっては、この数字を2倍程度に引き上げることも可能だと考えている。

言い換えれば、ICRPが設定している安全基準は、一般大衆の恐怖心をなだめるための「合理的に達成可能な最低水準(ALARA)」であり、私が提言しているのは、科学に基づく「比較的安全な最高水準(AHARS)」なのだ」


放射線ヨウ素、一切心配する必要はない



「一方、低い線量の場合、放射線によって細胞が多少傷つけられたとしても、修復と防御のメカニズムが働く。そのため、健康への影響はほとんどないのである。それゆえ、浴びる線量が同じであれば、1度に浴びるよりも、少しずつ浴びた方が身体が受ける影響は少ないと言うこともできる。

とはいえ、線量が少ない場合、放射線を浴びた影響が、数年後に、様々な種類のガンとして現れる可能性も考えられなくない。ところが、統計的には、甲状腺ガンを除いては、かなりの量の放射線を浴びた場合でも、放射線によるガン発症率はほかの原因による発症率よりもかなり低いことが、これまでのデータによって明らかになっている。 」

ちなみに、欧州で甲状腺ガンの原因となった放射線ヨウ素に関しては、日本では一切心配する必要はないと私は考えている。なぜなら、日本人の場合、日常的に魚介類や海藻類を多く摂取しており、栄養も足りているため、たとえ体内に放射性ヨウ素が取り込まれたとしても、甲状腺にたまる可能性は極めて低いからだ。」