プチ起業、ママ起業が、非正規雇用の問題とつながっているということ | 柴田朋子~キャリアデザインでHAPPYになろう~

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最近は空前の?プチ起業ブームだと思っています。
わたしの周りだけじゃないと思う。

個人的に応援しているママもたくさんいるし、
仕事で関わりのある場もある。
そういうわたしがこういうことをブログに書くのは、覚悟のいることです。

でも、やはり伝えたい。

なぜ、ママたちのプチ起業が成立しているか。
それは、夫の収入があればこそ。

生活のことを考えなくてすむから「プチ」でいられる。

それが悪いことではないです。はい。
楽しく生き甲斐もってすごせたら、それはいいこと。
育児で鬱々するより、仲間作って、こもらずに活動するっていいと思う。

ただね、
ママたちが集まってオープンスペースで出店しているのを見ると、
その価格に驚く。驚愕の安さ。
ハンドマッサージ500円?
めちゃくちゃ手間掛かってつくられている小物、500円?
お客さんは、確かに嬉しいのです。安いのにちゃんとしてる。
そして接客からめちゃくちゃあったかい。ハートフルだ。

で、1日出店していくら売り上げあがってるのだ?利益は?
コストは?出店料は?交通費は?


コストっていうと、材料費くらいしか考えてない人ばかりなのも驚くのだけれど
そのために考えた時間、動いた時間、もちろん自分が接客した時間も全部度外視している。

それでも本人がよければいいじゃないか。
・・・趣味です、フリマです、っていうならね。

なぜこんな嫌らしいことを書いているかというと、
それは、無知が「搾取の構造」を増幅させることに
加担しているからだよ。


非正規雇用の多くは女性です。
なぜか?なぜあまりこれまで問題になっていないのかといえば、
夫というメインの収入があるから、それで生活しているわけじゃないよね、
というのがベースになっているから。
介護業界の給料が安いのも、もともとは女性メインの職場だから。
保育もそう。もともとがそうだから(公立は別)。
在宅ワークで名刺の入力とか、単価をこの間調べてみたらびっくりしたよ。
(名刺管理アプリがだから成立しているのだけれど)

でも今、非正規雇用に就く男性も増えていて、
だからようやくワーキングプアとか貧困母子家庭の話に光が当てられるようになっている。

元をたどるとつながっているのです。

わたしの古い友人が在宅ワーカーとして、まだやる人が少なかった頃に始めていて、
当時怒っていたのは、
「片手間主婦が気軽に参入してきて、お金より生き甲斐とかいうから、
相場が崩れてどんどん酷いことになっている」

ということでした。

わかりますか?

手間をかけてスキルつけてやってきたことを、
お気持ち価格みたいなので垂れ流すことは、
その仕事でご飯食べている人を邪魔することです。
もちろん、自分の価値を不当におとしめることでもあります。


それでも「趣味です」なら構わない。楽しければオッケーだ。
それを起業といわないでほしい。

ちゃんとした価格をつけること、
それで逃げずに売ることに向き合うこと。
それが起業するってことだと思う。


お金を得ることを、なぜ、そんなに抵抗するんだろう?
お金<心 って思ってる?
でも、考えたくないって思っていることが、世の中の大きな不具合の一端を
担ってしまっているということは、気がついてほしい。


心から、ママの社会進出を応援したいのだ。わたしは。