毎日毎日、これでもかという程、心配ごとが絶えない。

千秋さんが一人でリハビリに行かれない様になって、
家でも中々する事がないから、
裏口にしゃがんで外を眺めている事が多い。

我が家のラナイや裏口には、
水を入れたジュースのボトルが並んでいる。
日本よりずっと大きな、2リットル、3リットル入るジュースのボトルだ。


我が家に来た人は、みんな、何故そこに水の入ったボトルが並んでいるか不思議がる。
それも千秋さんのこだわりだ。

そして一日中、その水を裏の芝生にまいている。
うちの周りだけ、いつも水浸しだ。



今日、我が家のあるタウンハウスのマネージャーが、
「水をまくのを止めて欲しい」と言ってきた。
誰かが滑って転んだら、タウンハウスの管理責任になる。


私は、千秋さんも娘の紅梨も、遺伝の同じ病気で、治療法がない事。
脳の病気で、行動が奇異になる事もあるという話をし、
「できるだけ早くに止めさせます」と謝った。



幸い、ハワイの人たちは、本当に優しい。
紅梨はご近所では有名な子だし(いつも車椅子だから目だつ)、
事情を話すと、「いいよ、急がなくても。困った事があったら協力するから」と言ってくれる。


でも、迷惑な事は、止めさせなければならない。


どうやって、千秋さんに伝えようか。。

その他にも、実は色んな迷惑をかけている。
訴訟の多いアメリカで、一度も大きなトラブルがなかった事が、不思議な位だ。



紅梨の事でも、
歯医者、婦人科など、病院に連れていかなければならないし、医療ベッドも、車椅子も、シャワー用椅子も、交換が必要と、色んな人から言われている。

紅梨は今、数多くのナースが関わっていて、
それだけサービスを受けているという事なんだけれど、

「この車椅子じゃ、紅梨には危ない」と言われても、
そうすぐには新しい物に換えられない。


誰もが我が家の事を思っていってくれるのだけど、
一日に、五つも六つも別の案件がでてきて、押しつぶされそうになる。



その上、千秋さんは何かを思い立ったら、すぐにやらないと気がすまない。
自分ではできないから、「ママ、ママ」と呼ぶ。

紅梨は、、、一つの心配が終わると、また別の心配ごとが出てくる。
足の曲がり、夜中の咳き込み、首の力、表情、、
心配が止まらない。



こういう事に潰されそうになりながら、
私は仕事をして、生活費を稼がなければならない。




いや、仕事ができる事は、幸せだと思う。
二人の病気が発覚するまで、私はずっと仕事をしてきた。

今も合間を縫って仕事ができる事、とっても幸せだ。
昔の様に、プロ用ビデオカメラを担いで、一日中取材に出る事はできなくなったけれど、
人と出会い、記事を書く、、誰かに読んでもらえる記事を書ける事は、ありがたい。




わかっているんだ。
介護なら介護、仕事なら仕事に専念できたらどんなにいいだろう、、、と、思うけれど、
本当は、仕事をする事で、気持ちを切り替えている事も沢山ある。




だから、


どんなに心配ごとがあっても、

今までの様に、
「きっと一つ一つ解決していったら、家族一緒に暮らしていかれるよ」と思う様にしよう。




何だかまとまりのない文章になってしまったけれど、

そんな風に、、時には泣きながら、、、いや、大抵泣きながら、、時には笑って、

また明日がいい日になる様に、頑張ろう。


本当に、明日がいい日になります様に。