2018年4月4日(水)

 

コットンクラブで、ジョーン・オズボーン。

今回の公演は1stと2ndで異なる内容ゆえ、両方通しで観てきた。

 

1stは全曲、ボブ・ディラン楽曲のカヴァー。それ、最新作『The Songs of Bob Dylan』の内容に沿ってのものだが、そのアルバムには入ってないディランの曲も「ライブだけのボーナスよ」と言いながらいくつか歌唱。「追憶のハイウェイ'61」など、グルーブがあって実にかっこよし。ディランが歌うディランの曲はそもそもクセが強いわけだが、ジョーンが自分の解釈で歌うとメロディのよさがスッと伝わってきて、改めて楽曲のよさに気づくことになったりも。アコギも2本セットされていたが、サポートするキース・コットンもジョーンも(僕の記憶が確かなら)それをまったく弾かず、楽器はキースの鍵盤のみだった。

 

2ndは「セレクション・オブ・オリジナル・ワークス」と題されていたが、オリジナル曲はほんのわずかで、ブルーズとロックバンド曲のカヴァーにて米国音楽史を辿る…的な内容。この日が誕生日のマディ・ウォーターズの曲、ティナ・ターナーの曲、前回もやってたスリム・ハーポの曲、ザ・バンドの曲(驚くようなアレンジでかっこよかった)、グレイトフルデッドの曲、フェイバリット・ソングライターだと言うジョン・プラインの曲などなどなど。それから自身のオリジナル新曲も。キースがアコギを弾いて、ジョーンもまたアコギを弾く曲がわりかし多め。リズムボックス音を同期させた曲(ジョーンがテーブルの上に置いたスマホくらいの大きさのものを自分で操作して音を出してた)もあるなど、使用楽器含めて演奏に幅と広がりがあった。またグルーヴィーなノリの曲も多く、ジョーンも動きながら歌ったりするなど、総じて1stよりも立体的。アンコールの「ワン・オブ・アス」はピアノでじっくり語りかけるように歌い、前回聴いたとき以上に心に沁みた。というわけで、1stも味わいあってよかったが、個人的には2ndのほうにより深い感動を覚えたのだった。

 

ともあれ、両ステージ観て改めてジョーン・オズボーンという豊かな表現力をもったシンガーに惚れ直した感。声の調子が絶好調とは言えない状態のようにも見受けられたが、それが気にならないほど心のこもった歌を聴かせてくれた。ステキな女性だなー、本当に。

 

こちら、アエラスタイルマガジンに書いた公演紹介文です。https://asm.asahi.com/article/11372498 …