2017年1月19日(木)

 

清野雄翔くんプレゼンツによる『音楽のごちそう 新春番外編 〜うたうたいとピアノひきの小さな演奏会〜』へ。場所は下北沢Rhapsody。下北に住んでいながら今まで知らなかったアコースティック・ライブバー。なかなかよさげなお店でしたね。壁にRCサクセションの『RHAPSODY』が飾ってありました(そこから店名つけたのかな?)。

 

清野くんが最初から最後までずっと鍵盤弾いて、3人の“うたうたい”=梨帆さん、倉品翔くん、宮本毅尚さんが順にそれぞれオリジナルとカヴァーを織り交ぜながら6~7曲ずつ歌っていく構成。倉品くんのパートの数曲ではヴァイオリニストとギタリストが、宮本さんのパートの数曲ではヴァイオリニストとギタリストとパーカッショニストがゲストで加わり(いずれも清野くんと馴染みの深い演奏家たち)、アコースティックながらも膨らみのあるライブとなった。清野くん言うところの「多幸感」そこにあり。

 

個人的なお目当ては倉品くんと清野くんのガチコラボだったんだが、手嶌葵さんの「明日への手紙」(倉品くんの声にめっちゃ合ってる)、それにアレンジがオリジナルとガラッと変わって切なさ成分5倍増しになったエイプリルの「キレイ」がとりわけ沁みた。もちろん「start over」もジンときたな。それにしても倉品くんの声とヴァイオリンの音色って相性いいね。ヴァイオリンの谷崎舞さん、ステキでした。

 

トリの宮本毅尚さんの歌は初めて聴いたけど、いい声だし表現力あるなーと。掠れてはないけどちょっと徳永英明的な“女性酔わせ成分”があるように思ったかな。

 

そしてプレゼンター&ピアニストの清野くん。出演者たちも言ってたけど、彼のピアノが鳴ると曲に魔法がかかる。ノスタルジックという名の魔法。ロマンティックという名の魔法。素晴らしいね。いつか清野くんなりの冨田ラボ『SUPERFINE』みたいなアルバムが作られることを僕は勝手に期待してますよ。

 

AD

 

2017年1月16日(月)

 

ブルーノート東京で、レイク・ストリート・ダイヴ。

 

ボストンで結成されたマルチジャンルな4人組バンドの初来日公演。無邪気でハッピーで自由さの溢れているステージ……という見せ方ながらも、実は相当コンセプチャル。楽しんでやってるのは間違いないけど、実はけっこうクールに頭脳で考え、いまどきほかのどんなバンドもやらないことをやろうとしている(やっている)のだろう。そういう頭のよさも伝わってきた。

 

演奏の腕前はそれぞれ相当のもの。特にウッドベースの姉さんのプレイが凄い。サービス精神もたくさん持ってて、僕が観たこの回はプリンスの「プレイス・オブ・ユア・マン」をカヴァーしたりもしてたけど、クイーンの「ボヘミアン・ラプソデイ」をやった回もあれば、ジョージ・マイケルの「フェイス」をやった回もあるようだ。正直、全体的にやや一本調子なように僕には感じられたのだが、そういうサービス精神があったり、ア・カペラっぽく聴かせる場面などもあったのがよかった。

AD

2016年の年間ベストライブ、洋楽編です。まずはベスト10。公演日順。

 

●マドンナ@東京ドーム/2月14日(木)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12129155952.html

 

●ホセ・ジェイムズ@ビルボードライブ東京/2月19日(金)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12130471508.html

 

●ボン・イヴェール@新木場スタジオコースト/2月29日(月)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12134400366.html

 

●ヴィンテージ・トラブル@EXシアター六本木/4月7日(木)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12149138149.html

 

●アルカ+ジェシー・カンダ(「タイコクラブ」)@長野県こだまの森キャンプ場/6月4日(土)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12167934723.html

 

●リオン・ブリッジズ(「フジロック」)@苗場スキー場(フィールド・オブ・ヘブン)/7月26日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12184953823.html

 

●スクエアプッシャー(「フジロック」)@苗場スキー場(ホワイトステージ)/7月25日(土)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12184695164.html

 

●ジョーン・オズボーン@コットンクラブ/8月8日(月)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12188661086.html

 

●マックスウェル@新木場スタジオコースト/8月19日(金)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12192953361.html

 

●ジャクソンズ(「サマーソニック」)@幕張メッセ/8月21日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12192959385.html

 

さらにもう10本。

 

●ウルフ・アリス@渋谷クラブクアトロ/1月6日(水)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12118085873.html

 

●ダミアン・ライス@六本木EXシアター/6月6日(月)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12168206788.html

 

●テイラー・マクファーリン&マーカス・ギルモア(「タイコクラブ」)@長野県こだまの森キャンプ場 /6月4日(土)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12167934723.html

 

●ステレオフォニックス@渋谷O-EAST/7月26日(火)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12185653706.html

 

●カマシ・ワシントン(「フジロック」)@苗場スキー場(フィールド・オブ・ヘブン)/7月26日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12184953823.html

 

●ラ・ゴッサ・ソルダ(「フジロック」)@苗場スキー場(クリスタルパレステント)/7月24日(金)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12184627319.html

 

●レディオヘッド(「サマーソニック」)@マリンスタジアム/8月21日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12192959385.html

 

●アンドラ・レイ(「ブルーノートジャズフェス」)@横浜赤レンガ倉庫/9月17日(土)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12201532407.html

 

●ジル・スコット(「ソウルキャンプ」@横浜赤レンガ倉庫/9月18日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12201753929.html

 

●アラバマ・シェイクス@新木場スタジオコースト/12月12日(月)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12228238816.html

 

最も感動したのはマックスウェル。最も衝撃を受けたのはタイコクラブで観たアルカでした。ほかにフジのベック、フジのコン・ブリオ、オーチャードホールのボブ・ディラン、ビルボードライブのプリシラ・アーン、ビルボードライブのリー・フィールズなどもよかった。それに朝霧ジャムのスカタライツも見事な赤富士と共に忘れられません。

 

 

 

AD

2016年の年間ベストライブを選んでみました。

 

2016年中に観に行ったライブ(*アーティスト数ではなく本数)は全103本。そのうち野外フェスが10本(サークル、タイコクラブ、グリーンルーム、フジ、サマーソニック、ワールドハピネス、りんご音楽祭、ソウルキャンプ、ブルーノートジャズフェス、朝霧ジャム)。

 

そのなかから、まずは邦楽アーティストのライブベスト10を。*同アーティストで複数回観ているものに関しては、そのうちのベストの公演を選びました。公演日順。

 

●Rei@渋谷O-nest/1月29日(金)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12126780351.html

 

●Superfly@さいたまスーパーアリーナ/2月7日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12126792384.html

 

●石橋凌@六本木EXシアター/3月6日(日)

http://musicshelf.jp/pickup/id19673/5/

 

●S-KEN & HOT BOMBOMS@六本木・音楽実験室「新世界」/3月31日(木)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12145511429.html

 

●GOOD BYE APRIL@渋谷www/4月10日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12149149534.html

 

●DUB FORCE feat.元ちとせ(「グリーンルーム・フェスティバル」)@横浜赤レンガ倉庫/5月22日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12167916589.html

 

●菊/ft.鮎川誠 シーナ&ロケッツ@渋谷クラブクアトロ/6月9日(木)

http://musicshelf.jp/pickup/id21061/

 

●リクオ with ホーボー・ハウス・バンド & Dr.kyOn@下北沢ガーデン/7月10日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12180025982.html

 

●ザ・たこさん@渋谷クラブクアトロ/10月13日(木)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12209894684.html

 

●仲井戸麗市(「月曜の夜 RCを歌う」)@南青山MANDALA/11月21日(月)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12221945031.html

 

さらにもう10本。

 

●加奈埼芳太郎@長野県茅野市・The Piano Man/2月6日(土)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12126791271.html

 

●Char@八王子市芸術文化会館いちょうホール/2月5日(金)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12126788815.html

 

●チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン@新宿文化センター/3月12日(土)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12138708142.html

 

●UA(「CIRCLE」)@福岡・海ノ中道海浜公園野外劇場/5月14日(土)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12163554237.html

 

●細野晴臣(「CIRCLE」)@福岡・海ノ中道海浜公園野外劇場/5月15日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12163554237.html

 

●GLIM SPANKY@東京キネマ倶楽部/7月9日(土)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12179745051.html

 

●広沢タダシ@渋谷7th Floor/7月17日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12181753573.html

 

●Bim Bam Boom(「フジロック」)@苗場スキー場(ジプシーアヴァロン)/8月24日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12184953823.html

 

●ビッケブランカ@渋谷O-nest/9月11日(日)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12199196652.html

 

●鬼束ちひろ@中野サンプラザ/11月4日(金)

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-12216563262.html

 

ダントツ1位はSuperfly。アリーナであってもあくまで歌を真ん中におき、それであれだけ楽しませるライブをやれるアーティストはほかにいない。彼女のひとつの到達点のように思えた。ザ・たこさんは服部緑地野音の長尺ワンマンもフジ(特にカフェドパリ)も印象深いが、クアトロ公演に最もよさが凝縮されていたように思う。チャボは6月10日・下北沢ガーデンの早川岳晴との「旅に出る二人」公演も素晴らしかったが、MANDALAのソロ公演「RCを歌う」により深い感動を味わった。

 

ほかに水曜日のカンパネラ(サークル、ワーハピ、サマソニ、りんご音楽祭、スタジオコーストのワンマンと去年は何度も観たが、とりわけ雨のタイコクラブのパフォーマンスが強く印象に残っている)、METAFIVE(フェスで3回観たなかではワーハピのライブが特によかった)、Drop’sのキネマ倶楽部ワンマン、夜のストレンジャーズの紅布ワンマン、リトル・クリーチャーズのグローブ座ワンマン、小坂忠の渋谷さくらホール公演、harmonic hammockのラストライブもよかった。また、自分もトークで出演させていただいた加奈埼芳太郎さんの大森「風に吹かれて」公演も忘れ難いものだ。

 

 

 

2017年1月15日(日)

 

めっちゃ寒かったけど、回顧展『DAVID BOWIE is』を観てきました。ボウイの画才に驚いた。あと、戦メリの坂本さんとボウイのあのシーンで映像がカクカクってなるところが偶然の事故だったって話に吃驚。で、これ観たらまたちゃんとCDを聴き返したくなって、帰宅後、いくつか聴き返しました。

 

遅くなったけど、2016年の年間洋楽ベスト・アルバムを選んでみました。

 

まずはトップ10(順不同です)。

 

●THE ROLLING STONES『BLUE&LONESOME』
●RAY LAMONTAGNE『OUROBOROS』
●NORAH JONES『DAY BREAKS』
●PETER WOLF『A CURE FOR LONELINESS』
●LEAH DOU『STONE CAFE』
●SOLANGE『A SEAT AT THE TABLE』
●THE JACK MOVES『THE JACK MOVES』
●MICHAEL KIWANUKA『LOVE&HATE』 
●GREGORY PORTER『TAKE ME TO THE ALLEY』
●DAVID BOWIE『BLACKSTAR』

 

順不同と書いたけど、ほぼ順番通りだと受け取ってもらっていいです。そっちよりこっちが上なんかい?!というツッコミもありましょうが、好きの度合いを素直に反映させるとこうなるという。で、邦楽同様、10枚や20枚じゃ全然選びきれなかったので、あと30枚、どーんと並べておきますね。こちらも順不同ではあるけど、聴いた回数がある程度反映されてはいるかな。

 

●MAXWELL『BLACK SUMMER’S NIGHT』
●BRUNO MARS『24K MAGIC』
●BIBIO『A MINERAL LOVE』
●KING『WE ARE KING』
●FRANK OCEAN『BLONDE』
●LAURA MVULA『THE DREAMING ROOM』
●ALLEN TOUSSAINT『AMERICAN TUNES』
●JAMIE LIDELL『BUILDING A BEGINNING』
●PRINCE『HITNRUN PHASE TWO』
●BON IVER『22,A MILLION』

 

●ALICIA KEYS『HERE』
●MIRANDA LAMBERT『THE WEIGHT OF THESE WINGS』
●PRISCILLA AHN『LA LA LA』
●DERRICK HODGE『THE SECOND』
●PUNCH BROTHERS『THE PHOSPHORESCENT』
●ANOHNI『HOPELESSNESS』
●CHRISTINE AND THE QUEENS『CHALEUR HUMAINE』
●M.I.A.『AIM』
●BETH ORTON『KIDSTICKS』
●RIHANNA『ANTI』

 

●CORINNE BAILEY RAE『THE HEART SPEAKS IN WHISPERS』
●CHANCE THE RAPPER『COLORING BOOK』
●BEYONCE『LEMONADE』
●THE WEEKND『STARBOY』
●THE AVALANCHES『WILDFLOWER』
●ESPERANZA SPALDING『EMILY’S D+EVOLUTION』
●LEE FIELDS&THE EXPRESSIONS『SPECIAL NIGHT』
●KT TUNSTALL『KIN』
●RUMER『THIS GIRL’S IN LOVE』
●RADIOHEAD『A MOON SHPED POOL』

 

「今」を反映させてる作品、「今」聴いておくべき作品と、そんなの関係なくとにかく自分の好みにドンピシャでハマる作品、これまでの自分のリスニング歴の上にしっかり積み重なる作品。その両者のどっちを選ぶかで多少揺れたりしつつも、やっぱりそりゃあ自分がグッとくる音と声、気持ちいい音と声が聴こえているものを上にしたい。ということで、こうなりました。前者の意味合いで選んだらCHANCE THE RAPPERとかFRANK OCEANとかBEYONCEとかTHE WEEKNDあたりはもっと上にくるんだろうけど、各メディアと評論家らしい評論家の方たちがそれはやってくれてるし、自分までそれをやらなくてもいいでしょ、っていうね。当たり前だけど、音楽の好みはそれぞれのリスニングの歴史と切り離せるものじゃないし、「今これを聴かなきゃ時代は語れない、聴いとかなきゃダメだ」みたいに強要するものではないと思うんで。というか、ぶっちゃけ、そういう上から目線の書き方してるものを見ると違和感覚えたりもしちゃうんですよ。

 

っていう僕の気分と同じようなことを言ってくれてるのがbounce398号<OPUS OF THE YEAR>の編集部員トークで、そのなかで編集長の出嶌さんが「たかがポップ・ミュージックなので。娯楽であり趣味だから。そこが崇拝の対象になりすぎると気持ち悪い。だからいろいろ気持ち悪い」ってズバッと言ってるんだけど、まさにそれ。共感。

 

RAY LAMONTAGNEとかPETER WOLFとかLEAH DOU とかTHE JACK MOVESとか、あんなにいいのにどこの媒体も選んでなくて、なんだよ?!とも思うんだけど、でもそういうのをきちんと紹介するのも自分の役割だともまあ思ってるので、これからも惑わされずに自分の好きなものを好きと言い続けますよ(←邦楽ベスト10で書いたことと同じこと書いてる)。

 

 

 

2017年1月13日(金)

 

渋谷クラブクアトロで、遠藤賢司・祝!生誕70年「エンケン祭り」。

 

感動した。昨年6月にがんで闘病中との報があったが、不滅の男はやはり不滅。痩せられはしたが、歌声の力に少しの衰えもなく、むしろ以前とは別種の迫力があった。命が暴れ、魂が歌となり、見得を切る姿までが美しかった。

 

出演は主役のエンケンさんのほかに、曽我部恵一、湯川潮音、大槻ケンヂ、遠藤ミチロウ、大友良英、鈴木慶一、PANTA、フラワーカンパニーズ、そしてアンコールにサプライズで山本恭司。

 

ゲスト陣はエンケンさんのリクエストによるオリジナル曲とエンケンさんの曲のカヴァーを歌うというのが基本構成。湯川潮音さんによる「ミルクティー」、大槻ケンヂさんと湯川潮音さんのデュエットによる「哀愁の東京タワー」、遠藤ミチロウさんの「おやすみ」とオリジナルの「オデッセイ・2017・SEX」、大友良英さんとエンケンさんによる「夜汽車のブルース」、鈴木慶一さんの「塀の上で」、PANTAさんの「悪たれ小僧」と「時代はサーカスの象にのって」(←ド名曲)、フラカンの演奏に途中でエンケンさんが加わった「東京ワッショイ」などが強く印象に残った。

 

しかし破格だったのはやはりエンケンバンド。トーベンさんとトシさんとのトリオのあり方と鳴り音はまるでジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスだ(とか思ってたら一瞬アメリカ国家のあのフレーズも挿んだりしてたので、その意識はご自身にもあるのかもしれない)。またエンケンさんがソロで歌った「44年目のカレーライス」の歌詞にもグッときて僕は泣きそうになった。

 

だが、この日の白眉は全員揃っての「不滅の男」のさらにそのあと、エンケンさんだけ残り、そして山本恭司さんがギターで入って歌われた「夢よ叫べ」だった。山本恭司さんの幽玄なギターと、エンケンさんの魂の歌。その合わさりに鳥肌がたった。歴史に残る(記録としても残してほしい)、それは圧倒的な名演・名唱だった。

 

ずっとずーっとエンケンさんは素晴らしい「純音楽家」だけど、闘病を経てさらに凄みが増した印象。鼓舞する歌にしても愛の歌にしても「純」故に風景までがそこに立ち現れる。「史上最長寿のロックンローラー」としてトコトン・ズンズン生き続け、歌い続け、立ち続けてほしい。

 

 

 

 

2017年1月12日(木)

 

新木場スタジオコーストで、TWO DOOR CINEMA CLUB。

 

新年ライブ初め。前に観たのがいつどこでだったかも思い出せないくらい久々だったし(確かずいぶん昔のサマソニだった気がする)、ここ数年いろいろ大変だったみたいなのでどうなのかと思ってたが、すごくよかった。サポートメンバー含め、個々の演奏力が非常に高くて、盤で聴いた時点ではもうひとつかなぁと感じていた新作の曲もナマとなるとグンとスケールアップ&グルーヴ倍増。1作目・2作目の勢いある感じと3作目の聴かせる感じとをうまく混ぜた構成もグッドだった。あと、「Sun」で“I Know I'll stay,I Know I'll stay”とアレックスが歌ってステージを指したときのそれがやけにエモかったです。ほんと、いいバンドになったなぁ。

『湯を沸かすほどの熱い愛』

テーマ:

 

2017年1月7日(土)

 

新宿武蔵野館で、『湯を沸かすほどの熱い愛』。

 

去年見損ねていたものの1本。たいへん評判がいいので観とかねばと思って観に行った。

 

話の展開の仕方とか、その片付け方とか、普通に考えたらけっこうトンデモなところも少なくないのだが、役者たちの演技がよいので、そういうところもわりと素直に受け入れられる。『紙の月』でも思ったが、宮沢りえはいい女優さんになったものだ。

 

オダギリジョーのダメ男ぶりにシンパシーを感じたのは、自分もダメ男だからだろうか。

 

泣いた。そりゃあ泣いた。お客さんのみんなが同じ場面ですすり泣いていた。泣くようにできてるんだからしょうがない。でもそれはいかにもあざといお涙ちょうだい的な、いやらしい作りとは違う。評判がいいのもよくわかる。

『oasis:supersonic』

テーマ:

 

2017年1月9日(月・祝)

 

立川シネマシティ2で、『oasis:supersonic』極上音響上映。

 

同世代の友人にオアシス好きはそんなにいないのだが、音楽をやってる30代や20代の友人にオアシス好きはけっこう多い。ストーンズやフーのような反抗姿勢もピストルズのような反抗姿勢もちょっと古くて遠い気がするけど、オアシスは兄貴的な近さもあって憧れる……ということなのかなと考えてみたりするが、どうだろう。で、そういう友人たちの気分を害したら申し訳ないと思いつつ、でも正直に書いてしまうと、僕はオアシスのよさが昔からわからなくて、でもライブはいいって言うからなぁと来日公演も3~4回観に行ったけど、一度もいいと思えなかった。それはきっとあのバンドの最高の状態を目撃することができてないからに違いないと思っていて、この映画でそれを遂に観ることができる、そうしたら考えが変わるんじゃないかと、それを期待しながら観に行った。しかも製作総指揮にあたっているのが傑作『AMY エイミー』の監督アシフ・カパディアということで、それなら内容的にも間違いないだろうと。

 

で。まあ面白いは面白い。思った通り兄弟喧嘩の繰り返しが話の運びの軸になっているので、さほどダイナミックな展開はないのだが、飽きはしない。ギャラガー兄弟にばかり焦点があたっているんだろうと想像していたら、思いのほか丁寧にほかのメンバーの葛藤やらも浮かび上がらせていて、そのあたりが特によかった(わけても解雇されたドラムのトニーまわりの話。僕はそこに一番気持ちが動いた)。またネブワース公演をピークにもってきて、その先を一切描かないあり方も潔くて良い。けど、「そうか、そんなことがあったのか~!」というような驚きや意外性は少なく(兄弟の父親と母親の話は初めて知ったのでそれなりに興味深かったが)、彼らに対する見方が変わるまでには至らなかった。つまり、わりと想定内。あのクレイジーぶりなんだから、もっと吃驚場面や興奮場面が出てくるのだろうという期待も外れた形だ。

 

アシフ・カパディア総指揮ということで、証言者の顔を映すことなく話を展開させていく作り方は『AMY エイミー』と同様。また劇伴のトーンも『AMY エイミー』とまったく一緒。つまり『AMY エイミー』で成功した部分をそのままこの映画に活かしているわけだが、撮り方はともかく、劇伴が似すぎているのはちょっとどうなんだろと思ったりもした。

 

ということで結論。あえてどこがとは書かないでおくが、この映画を観たことで、むしろ自分がオアシスを好きになれなかった理由がわりと明確になったように思う。それともうひとつ。映画のなかでも言ってるけど、インターネットもまだ普及してなくて、SNSももちろんなかったあの時代だったからこそ、彼らはあんなに短期間であれほどの成功をおさめたのだということもハッキリした。いまの時代だったらあの成功はなかっただろうし、だからいい意味でも悪い意味でも、やっぱり奇跡のバンドだったんだと、そのことがよくわかった作品だった。

 

尚、大好きな極上音響上映で観たのだが、彼らの厚塗りのサウンドはそれでもどこかベターっとしていて、過去に体感した極上音響のどれより効果が薄かったようにも感じました。