『X-MEN:アポカリプス』

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2016年8月24日(水)

 

新宿バルト9で、『X-MEN:アポカリプス』。

 

呆れるほどの壮大さ。なのに芯となるべきドラマ性が希薄。そういう意味では駄作と言う人がいても仕方がない。けど、新旧重要キャラの背景が何気に明かされるあたり「そういうことだったのかー」と思わずにいられなかったし、単純にド派手な戦闘シーンにも身を乗り出す感じがあったな。過去作の細かいところをいろいろ忘却してて、時系列的にどうなってんだっけ感もあったけど、思わぬところに以前のエピソードをもってきて繋げるあたり、ファン心をくすぐるねぇと。正直、泣きそうになった場面もありましたよ。まあだから、結局好きなんす。やめられないんす。


プロフェッサーとマグニートーはまた同じようなこと繰り返してんの?!とか、そういうのも含めて、同じキャラが出続けるシリーズならではの面白さってあるよね。「あの方」の扱いがずいぶんアレだとしても、出てくれただけで嬉しいってとこあるし。


おっさんたちもいいけど、若いミュータントたちの活躍&葛藤がやっぱりよい。特にナイトクローラーとクイックシルバーが実によい。クイックシルバーが覚醒した際のユーリズミックス「スイート・ドリームス」、あの使い方とか、ホントうまいよなぁ。

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サマーソニック2016(2日目)

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2016年8月21日(日)

 

サマソニ2日目。前日と変わって天気も安定。昨日みたいな天候だったら外のは中止になってたのだろうか…。

 

会場にいたのは9時間。観たのは以下の通り。

 

エレ・キング→メイヤー・ホーソーン→METAFIVE→KING→ジャクソンズ→ジェイムス・ベイ(2曲だけ)→レディオヘッド。もっと観た気になってたけど、書きだしてみると意外と少ないな。

 

かなり期待してたエレ・キング姉さんでスタート。初めは出声がいまいちだったが、3曲目くらいから徐々に調子をあげてった。特にカントリー調の曲とブルーズ曲で本領発揮。バンジョー弾いて歌う様がよかったので、それ、もうちょい観たかったところだ。次回、単独来日があるなら、ライブハウスでじっくり味わいたい。

 

メイヤー・ホーソーン。スマート。涼やか。泥臭さがまるでないあのスタイルのまま巨大なマウンテンをいっぱいにするというのはちょっと驚き(いい意味でですよ)。

 

METAFIVE。80年代感がすぎますぞと言いたくなりつつも(当時ならパルコのCMに使われてそうな)、しかしやっぱり抗えないかっこよさ。クールな4人に対してひとりだけ熱いLEO今井…というバランスもちょうどいいのかも。春に福岡のフェス(Circle)で観たときは幸宏さんの昔のソロ曲なんかもやってたが今回はバンドのオリジナル曲のみで構成。因みにテイさんのツイートによるとワーハピではYMO曲もやるそうなのでそれも楽しみ。

 

KING。音も声もひたすら気持ちよし。外でやったらもっと映えそう。最後まで観たかったところだが、ジャクソンズを初めから観たかったので後ろ髪ひかれつつ移動。12月にリキッドルームで単独公演やるそうなので、それを観よう。

 

ジャクソンズ。素晴らしすぎた。「感動をありがとう」とか書く人いるでしょ、ライブとかオリンピックとか観たあとに。あの感じ、普段は苦手なほうなんだけど、でも今回ばかりは素直に言いたくなっちゃったな。「ジャクソンズ、ありがとう」って。以下、観終わってしたツイートふたつ。

 

「ジャクソンズ。期待の遥か上を行った。驚きの現役感。あんなに歌えてあんなに踊れて、しかも全身全霊。歴史を知らない人でも楽しめるエンターテイメントなショー、少しでも歴史を知る人には感涙もののソウルショーだった。間違いなく今年のサマソニのベスト。伝説になるね。」

 

「ジャクソンズのライブで嬉しかったのは、20代くらいの若いコたちもめちゃめちゃ楽しそうに盛り上がってたこと。3~4年前のアースもそうだった。違ったのはそれが嬉しかったらしいジャクソンズのメンバーたちが最後、客の中に入って駆け回りハイタッチしまくってたこと。あれ、いい光景だったなぁ。」

 

ジェイムス・ベイ。若い頃のチャーリー・セクストンってこんな感じじゃなかったっけ。で、イケメンであることは彼にとって得なことなのか損なことなのか…と、ふと考えてみたり。

 

レディオヘッド。みんながセトリについてのことばっかツイートしてるけど、ライトなファンの僕にはそういうことより何よりまず出ている音の凄さに驚かされた。あんな音を出せるバンドはほかにないし、音と声だけであんなに抽象的なイメージをはっきりした像として見せることのできるバンドもほかにない。それと、スタジアムでそう思わせるってことは、音響スタッフの優秀さもまたハンパないってことだ。レッチリとそのスタッフに爪の垢でも煎じて飲ませたいと思った。(あと、自分たちがステージにいる間は花火もあげさせないというその徹底ぶりね。そのくらい表現に対して真摯ってこと)

 

ところで、メッセ内でKINGやジャクソンズがやってるほぼ同じ時間帯にビーチでミュージック・ソウルチャイルドやSWVがやってたり…ってあたりは、カラダがふたつあればなと思わずにいられなかったところ。黒もの好きならみんなどれをとるか、多少なりとも迷ったことでしょう。対して東京初日はそっち方面のアクトがほとんどなかったわけで、そのへんの配分バランス、組む側にはもうちょい考えてもらいたいものだなー。うん。

 

というわけで、今年は2日間で(2~3曲だけってのも数えると)18アクト観ました。ベストアクトは……ジャクソンズとレディオヘッドが双璧ですね。究極のエンターテインメント・ショーと究極のアート。どっちも味わえる、それこそがフェスの喜びっていうね。

 

 

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サマーソニック2016(1日目)

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2016年8月20日(土)

 

サマソニ初日は天気が不安定でなかなかにハードでした。夜になって落ち着いたけど、昼間はピーカンになったかと思えば突然どしゃ降りになったり。それ以上に湿気がすごくて、もう。とはいえ、13時間がっつり遊びましたが。


観たのは以下の通り。ガーデンにいる時間が長ったですね。サマソニにおいては一番ゆっくりできる場所。一番好きな場所かもしれぬ。

 

水曜日のカンパネラ(マリン。最後の1曲のみ)→Micheal Kaneko(ガーデン)→SANABAGUN.(ガーデン)→リア・ドウ(ガーデン)→チャーリー・プース(マウンテン。3曲)→LiSA(レインボー。2曲のみ)→ファーギー(マリン)→JAGA JAZZIST(ガーデン)→アンダーワールド(マリン)→上原ひろみ×熊谷和徳(ガーデン)→アウスゲイル(ソニック)。


雑食&肉食性で圧倒されたのがファーギー。最強。EDMと互角に張り合えるのは筋の通ったビヨンセよりも「なんでもあり」で押し倒す彼女のような人なのかもと思ったり。初めて観たSANABAGUN.はシティなサウンドに下品な歌詞が乗る感じとメンバーたちの佇まいに昭和的な不良の匂いがあってかなり気に入った。また観たい。リア・ドウは圧倒的なアルバムの完成度に対してライブはまだ荒削り、でも可能性を大いに感じられるライブだった。最後はお母さんも歌って大ヒットになったクランベリーズの「ドリームス」を日本語&大胆なアレンジで。実になんとも初々しかったです。アンダーワールドはボンスリに花火ってそりゃズルいだろと思いつつも盛り上がらずにはおられず。新作曲と旧曲のバランス&緩急の付け方もさすが。上原ひろみさんとタップの熊谷さんのステージにはアンコールでハナレグミもサプライズ参加。悔しいくらいにグッときました。アウスゲイルはピクシーズのあの大名曲が聴けたのが嬉しかったな。


それにしてもサマソニ大阪のシャトルバス問題、あれは重大ですね。ここまで何年も積み重ねてきて、それでこのタイミングであんなことが起きるとは。最高のライブのあとに帰れなくなってしまった方々が本当に気の毒です。

 

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2016年8月19日(金)

 

新木場スタジオコーストで、マックスウェル。

 

感無量。はかりしれないほどの思いを噛みしめつつ、幸福感に浸ってましたよ、僕は。遂に実現したマックスウェル、初の日本公演。それはもう最高の上を行く最高さで。


客電が落ちてプリンスの「Kiss」が大音量でかかると(結局まるまる1曲かけよった!)同時にメンバーがステージへ……っていう出方に始まり、そのあとも何度もプリンスの映像を背景に映し出していたことから察するに、いまマックスウェルは「自分こそがプリンスの意志を継いでいかなきゃいけないんだ」「あの人のようにこれからは止まることなく全力で進んでいくよ」と心に決めて動いてるんじゃないかと。もうそうとしか思えないあり方のライブでね。


以下、帰りに電車でしたツイートのまとめ。


「マックスウェル at スタジオコースト。ビルボードやブルーノートじゃむしろ映えなかっただろうビッグなソウルショー。いや、あの内容と質だったらスタジアムでも十分映えるだろう。バンドの演奏力、映像効果、何より魂こもったマックスウェルの歌とたまらない笑顔。全てが最上級。至福。」


「マックスウェルの笑顔はみんなを幸せにするなぁ。やっぱ愛だよ、愛。」


「マーヴィン・ゲイもプリンスももういないけど、マックスウェルがいるから大丈夫。そんなふうにさえ思えた今夜のライブ。まさしく愛の伝道師。もうね、大好き❤」


「マックスウェル。90年代にL.A.のグリークシアターで観たときは女性客たちが喚声あげて自分の下着をステージに投げ入れてた。すげえなと思ったけど、その気持ち、わからんでもなかった。あれから随分経ったけど、相変わらず色気があってチャーミング。いい歳のとり方してるなと思いました、今夜。」


「マックスウェル。確かにサマソニのディアンジェロ級の興奮と感動があった。どっちも当人が観客の盛り上がり方に驚いてて誰よりも嬉しそうだったし。90年代の曲もばんばんやりながら90年代的ではなくちょー現代的なソウルショーだったし。」


Dさん同様、支えるミュージシャンの豪華さもしびれるものでしてね。「デリック・ホッジのベース、やっべぇ~」とか「キーヨン・ハロルドとケネス・ウェイラムの同時吹奏、たまらね~」とか、そっち方面の見せ場もいろいろあったんだが、でも結局はそれら全てによってマックスウェルの歌がより引き立って聴こえてくるという理想的なあの構造。いや、ほんとにそれって理想的なあり方ですよ。ある意味、ニューパワージェネレーション的とも言えそうなほどに。


というわけで、マックスウェル。日本の観客たちの反応のよさがよほど嬉しかったようで、「またすぐ戻ってくるからねー」って言ってたけど、その言葉は本心としか思えないものだったので、恐らくDさんのように本当にそう遠くないうちに再来日してくれることでしょう。待ってます。大好きです。
 

『ケンとカズ』

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2016年8月11日(木・祝)

 

渋谷ユーロスペースで、『ケンとカズ』。


これはすごい。しばらく席を立てなかったほど。役者たちがみんなマジで”そっちの側のホンモノの人”にしか見えないし、脚本もカメラも音楽(サウンド)も、そのシンプルさ故にとてつもなくリアル。観ている間ずっと怖かったし、痛かったし、『息もできない』と同じくらい息もできなかった。


今年は『FAKE』にも『葛城事件』にも衝撃を受けたけど、個人的には『ケンとカズ』がそれを上回ったな。で、ぶん殴るときのドスンとくる痛さのリアリティはまさかの『ディストラクション・ベイビーズ』超え。観終わってから己のカラダが腫れてるような気にさえなった。何しろ衝撃だし、しかもなんというか作品に対して愛しさみたいな感情が今わいてきている。もう一度あのクズたちに会いたい…というような。うん、もう一回観に行こう。


終映後に監督・脚本・編集の小路紘史さんと、ケン役のカトウシンスケさんが登壇。そのあとロビーにいらっしゃったのでプログラムにサインをいただき、写真を。小路紘史監督、1986年生まれだそうなので、まだなんと20代で、本作が長編第一作目だとか。凄い才能だ。因みに予算は200万~250万くらいとのこと。それでこれほどのものができるのだ!


いやホント、大傑作。僕的には今のところ今年のベスト1です。


2016年8月8日(月)

丸の内コットンクラプで、ジョーン・オズボーン。

一体何年ぶりの来日だろうか。いまこのタイミングでジョーンのライブを観ることができる嬉しさたるや。

それはもう素晴らしいものだった。鍵盤担当(ときにギターも)の男性キース・コットンとふたりだけのアコースティック・セットで、ジョーンは(確か)1曲のみギターを弾いたが、それ以外は歌うことに徹する形。で、何しろそのヴォーカルが実に味わい深く、さらりと歌ってるようであっても、そこからソウルとブルーズの感覚が滲み出る。

初っ端からストーンズもカヴァーしたスリム・ハーポの「シェイク・ユア・ヒップス」で、彼女の中のブルーズ成分がじゅわ~。さらにはデッドやディランの曲をカヴァーしたり(ディランは2曲も!)、メイヴィス・ステイプルズのために書いたという新曲を披露したり。で、本編最後が自身最大のヒット曲である「ワン・オブ・アス」。キース・コットンの滋味あるピアノにのせて丁寧に歌われたんだが、これが沁みた。ああ、やっぱりいろいろ考えさせられもする深い曲…。

因みに「ワン・オブ・アス」は、ヒットし始めた当時にプリンスが日本公演ですぐにカヴァー(のちに『イマンシペイション』に収録)。そのお返しにと、ジョーンはアンコールでプリンスの「リトル・レッド・コルヴェット」を歌ったりもして。泣いてまうやろ。

名盤『レリッシュ』からもう21年が経つわけだけど、今回の公演観て改めてファンになり直しました、僕。本当に素晴らしい歌手。ぜひまた戻ってきてほしいものです。

『勝手にしやがれ』

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2016年8月7日(日)

新宿K'sシネマで、『勝手にしやがれ』。

劇場でこの映画を観るのはもしかすると30数年ぶりかも。要所と全体のムードは記憶してたつもりだが、「こんなセリフ(こんな場面)あったっけ?」ってなところが思いのほか多かった。で、思いのほか短く感じられもした。モノクロだからこそ鮮やかに感じられるパリの街の光と影。音楽の入り方とテンポ感。かっこいいねぇ、粋だねぇ。それにベルモンドのかっちょよさに加え、20歳のセバーグのなんと瑞々しく可愛いことよ。56~57年前の作品なのに現代的なステキさなのだ。あぁ、観なおしてよかった。この映画がなければ傷天のショーケンもルパン三世も生まれなかったんだよなぁ。


2016年8月6日(土)

新宿レッドクロスで、夜のストレンジャーズ。

火傷しそうなほどに熱いブギやロックンロールから泥臭いブルーズに沁みるバラッドまで、緩急つけながらも休みなしで駆け抜けた真夏の夜のワンマンショー。ほやほやの新曲とかなり久々の旧曲織り交ぜ、それは実に3時間以上に及んだのだった。

なにしろ序盤から「サム・クックで踊ろう」や「ブギ大臣」といったキラーチューンを立て続けに演奏するんだから、いまやりたい曲、いま聴かせたい曲は全部やるんだといった意気がガツンと感じられたし。マキ子さんもこの夜は3曲を歌唱。いやぁ、絶好調ですな、いまの夜ストは。いかにいい状態にあるかは、バンドアンサンブルのみならずミウラさんのMCの明るいトーンからも伝わってきたし、珍しくたくさん話してたテツオさんや、マキ子さんの「レッドクロス、イエイ!」ってな煽りからも伝わってきた。

信頼に値するロックンロール。弱さをわかっているからこそ強くて優しいその歌声。まったくもって生き様がダイレクトに表れた剥き出しのライブで、魂震えました、オレ。新曲もまたどれもグッとくるんだ、これが。ああ、この夜のようなライブを、いつか僕は苗場食堂で観てみたい。

倉品翔@下北沢lete

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2016年8月3日(水)

下北沢leteで、倉品翔。

GOOD BYE APRILのフロントマン、倉品翔くんの弾き語りライブをleteにて。欧州の田舎町にある小さな家のような空間に映える透明感のある歌声。とても親密。じわっと思いの伝わるいいライブだった。

僕の大好きな「start over」では間奏で林田順平さんのチェロの音が自然に脳内再生されたり。昨日歌詞をつけたという1分ちょうどの短い新曲には彼の素直な思いがそのまま表れていて新鮮だったり。観に来られていた湯川トーベンさんのカヴァー「雨の日と金曜日は」を聴きながら“優しい気持ち”について考えてみたり。吉田拓郎のカヴァー「夏休み」を聴きながら懐かしさについて思ってみたり。中島みゆきのカヴァー「糸」を聴いて言葉の意味が別の形で心に響いたり。

GLIDERのカヴァー「グライダー」もとてもよかったな。Aメロは倉品くんが歌うと倉品くんが作った曲のようにも感じられるのだけど、マイナーコードに展開するあたりの感じが栗田兄弟独特のもので、何しろ改めて「いい曲だなぁ」と。

あと、後半のエイプリル楽曲では観に来てたドラムのつのけんくんもコーラスで飛び入り参加。そして、どの歌も夏の匂いがした。

倉品くん、26歳の誕生日おめでとう!!

『64-ロクヨン 後編』

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2016年8月1日(月)

新宿ピカデリーで、『64-ロクヨン 後編』。

*多少ネタバレを含むのでご注意を。

前編を観てから2ヶ月と10日あまり。前編を観終えたあとはすぐにでも後編を観たいと思ったものだが、間をあけすぎて最早観なくてもいいかという気持ちにすらなっていた。が、夜に時間ができたので、やはり観ておくかと劇場へ。

前編の内容を最早忘れていたが、初めにざっくりと話の起こりを振り返ってくれているので、そこはまあ問題なし。が、その親切さはしかし、続けて観たひとにはむしろ鬱陶しく感じられたかもしれない。因みに緊迫した前編ラストからの繋ぎ方は、あまりうまいとは言えないものだった。このあたり、やはり前後編に分けることの難しさでもあるだろう。

前編はよかった。が、後編にはがっかり。重厚だった前編に対して、ずいぶんと甘い作りに感じられた。じっくり描いていた前編から、後編に入って一気に話が動くのだろうと期待していたのだが、そうでもなく、わりとスローテンポ。前編の繰り返しのようなところもあって、引き込まれづらい。犯人を追いつめるシーンなどは野原という場面設定もあってかスリルもなく、佐藤浩市がどうしたいのかも伝わってこない。とりわけ自分の生理に合わないなと感じたのが終盤で、前編で嫌~な感じがよく出ていた瑛太はヘンにいいやつに落ち着き、頼りなさげだった綾野剛は立派に成長し、佐藤浩市と敵対していた仲村トオルは理解者となり……。なんだか普通のいいお話にまとまってしまい、最後に小田和正の優しい歌で片付けてるみたいな。というか、もしかしてこれ、小田さんの歌が先に決まったので、そのトーンに合わせた終わらせ方に無理くりもってったんじゃないか、とすら思えてしまった。

これはでもあれだ、先頃『葛城事件』という恐ろしく後味が悪いのだがそれ故に大傑作になっている凄まじいパワーの作品を観たばかりということもあって、余計にキレイなまとめ方に対してイチャモンつけたい気持ちになっているってところも僕のなかにあるのかもしれないが。うーむ。

しかしね。前編・後編合わせて約4時間の長さだが、つまめるところはいくらでもある。やはり1本で一気に観たかった。前後編に分けて作る日本映画界のこのブーム、これで終わりになるといいなぁ。