一昨日、来ました、我が家にも。

ローリング・ストーンズ『メイン・ストリートのならず者』、スーパー・デラックス・エディション!!


「怒るくらいなら泣いてやる」


映画を観た帰りにタワーによって、予約しておいたこのブツをとってきたのだが、その日はなんだか開けるのがもったいなくて、そのままニヤニヤと箱を眺めたりしつつ一晩寝かせ。
そして昨日遂に開けて聴いちゃいました。
今回初商品化となる楽曲をまとめたボーナス・トラックのディスクをプレイヤーにセットしたときのドキドキ感たるや、もう。


以前、今はなき月刊PLAYBOYで「ロック・ベスト100」という企画があって、あなたが最強だと考えるロック・アルバムを10枚選んでください…というようなアンケートに僕も答えたのだが、そこで僕が1位に選んだのがストーンズの『メイン・ストリートのならず者』。
つまり僕が考える世界一のロック・アルバムがこれなのだ。
(因みにPLAYBOY誌で発表された集計結果では、1位はビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』。『メイン・ストリートのならず者』は14位だった)。


よく知られた話だが(解説にも書いてあるが)、このアルバム、リリース当初はそこまで高く評価されてたわけじゃなかったものだが、時間が経つにつれてストーンズの盤のなかでも最高傑作と言われるようになった。
僕も初めて聴いた当時はそこまでピンときてなくて、ストーンズならほかにもいいアルバムがたくさんあるじゃないかとか思ったりしたものだったが、歳をとるごとに繰り返し聴いてやみつきになり、確かにこれはストーンズのベストに挙げるべきアルバムなのだろうと思うようになった。


そういう大傑作の最新リマスターなのだ。
そりゃ盛り上がらないではいられなくて、最近はこのTシャツを頻繁に着倒してましたよ。


「怒るくらいなら泣いてやる」


我が家のリビングにはどーんとポスターも飾ってあるですよ。


「怒るくらいなら泣いてやる」


ってなわけで、ボーナス・トラックを早く聴きたいという気持ちを抑えながら、これはひとつの儀式みたいなものなので、まずはちゃんと本編のCD1から聴く。
ふむ、クリアじゃのう。
各楽器の音の分離がハッキリしてて勢いよく伝わってくる。
が、かといって特有の(いい意味での)モゴモゴ感も失われてない。


聴きながら、写真集のページを丁寧にめくる。
ああ、かっこいい……。ため息がでるほどかっこいい…。
どれも映画の1シーンのようだ。
今のストーンズだってかっこいいけど、この頃の輝きは言葉にできないほど。
お、ミック、バイクに乗るんだ……なんてことも思いながら……。


http://www.rollingstone.com/music/photos/;kw=[8664,149606 ]


そしていよいよCD2。
未発表音源からなるボーナス・トラックの盤だ。


ファンキーな1曲目「パス・ザ・ワイン」からもう、その粘っこさに引き込まれ、しびれてしまう。
なんでこの副題は「ソフィア・ローレン」なんだろ…とか思いながらも、もうジッとしていられない。
本作から逸早く聴くことができたリード曲「プランダード・マイ・ソウル」はミディアム系のソウルで、ミック・テイラーらしいギターにグッとくるし。
そこから先も昂揚せずにはいられない曲が続いて、え? 「黒くぬれ!」? と思いきやまったく別の曲(「ソー・ディヴァイン」)だったり、「ソウル・サヴァイヴァー」をなんとキースが歌っていたり(歌詞も別もので、「ソウル・サヴァイヴァー」とすら言ってない)、うっひゃーの連続で鳥肌立ちまくり。


http://www.youtube.com/watch?v=u6ZnmXrRUIQ

↑どーですか、このかっこよさは。


で、聴きながら寺田正典さんの解説読んで、目から鱗がボロボロボロボロ……。
わぁ、確かに「ダンシング・イン・ザ・ライト」と「ソー・ディヴァイン」のミックの歌い方は『刺青の男』のときのものじゃないか……とか。


最近行なわれたらしいオーヴァーダビングもベーシックのサウンドとの異和感がまるでなく、およそ40年前と今とが曲のなかでひとつになっているように思えるし。
いやぁ、想像してた以上にとてつもないブツだわ、これ。


それにしても、ミックがこうした遺産発掘~再生プロジェクトに対してようやく真剣になってくれたのは喜ばしい限り。

だってね。『フォーティー・リックス』が出たときにトロントでミックとキースにインタビューしたんだけど、そのとき僕、ミックに訊いたんですよ。
未発表曲が限りなくあるのに、それをまとめてボックスにしようとか思わないんですか? ってなことを。
でもそのときミックが言ったのは、「そんな昔の曲をまとめたってたいして売れないって。それより“いい新曲”を作って、ラジオでいっぱいかけてもらうことのほうがセールスに繋がる。だから“ドント・ストップ”を押していきたいんだよ」というようなことで。
遺産発掘にはてんで興味なさそうだったんだから。
(そのときの新曲「ドント・ストップ」を僕は正直たいした曲だとは思わなかったんだけど、さすがに天下のミックに「そんな新曲より未発表曲をお願いしますよ」なんてこたぁ言えませんからねぇ)


あれから時が流れて、世の状況を踏まえ、ミックは嬉しい心変わりをしてくれたのだね。
よかったよかった。
まだまだ山のようにある未発表曲、頼むから元気なうちにどんどん出してってほしいものです。


さて、今夜はアナログ盤のほうを聴くとすっか。
で、DVDのほうは週末にでもじっくりと。
しばらくはまたストーンズ三昧。

いつもそうだけど、ストーンズ聴きだすとほかのものが何も聴く気がおきなくなるんだよなぁ…。




↓これ、面白い! こうしてスーパー・デラックス・エディションは作られてるっていう。

http://www.youtube.com/watch?v=_bqp7nXumzw



↓『メインストリートのならず者』について、チャボがここで語ってますぜ。うーむ、グッとくる。

http://www.hmv.co.jp/en/news/article/1005010004/




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