私は、2007年に退院してから、様々な患者さん達から、様々なお問い合わせを頂きました。


「どうやって社会復帰したのか?」、

「自宅療養中、会社とのコミュニケーションは、どのようにしたか?」、


「セカンド・オピニオンの取り進め方」、

「担当医との相性の改善の仕方」、色々な質問を頂きました。



また一方で、患者さん達の家族からも、時々質問を受けました。


最も多いのが、


「患者の家族は、患者と、どのように接すればよいのか?」


と言う類の質問です。


この章では、私が考える、「家族、及び周囲の、患者との接し方」、について、経験をもとに纏めてみます。


I. 「心配しないこと」


私は、家族が患者にしてあげる最も大切な事は、「心配しないこと」だろう、と考えています。


正確には、患者本人が心配している以上には、心配しないこと」、です。


患者は、どの局面でも、常に不安で、心配で、怯えているものです。


しかし、本人なりに一生懸命、心の中で闘っていて、なるべく嫌な事を考えないようにしています。


私の場合、血液検査データが悪くても、「次に測定するときは、改善してるだろう」、とか、

今度試す治療は、「良い結果が出るだろう。」とか、考えました。


逆に言えば、「次の治療も上手くいかなかったら、どうしよう」とか、


「また次回も、腫瘍マーカーが下がらなかったら、どうしよう」等の


ネガティブな事を考えまいと、一生懸命、自分と闘っていました。


それが、患者本人の「心配のレベル」です。


だから、家族は、「その心配レベル」以上に、心配してはいけないと思っています。


あまり、例は出したくないのだが、例えば、「このまま、ずっと、腫瘍マーカーが下がらなかったら、どうしよう」、というような、患者が考えている以上の心配です。


私の場合、家族が自分より大きな心配をすると、私もそちらに引っ張られて、「もっと心配」になってしまいがちでした。


それは、決して良いことではないと思います。


「大丈夫でしょ!」とか、

「私は、全然心配していない。」とか、

「一年後は、ぴょんぴょん飛び跳ねてるよ」とか、


家族に言ってもらえると、ホッとしました。



また、家族が心配すると、「患者本人が抱える負担」も大きくなります。


ただでさえ、自分の事で精一杯なのに、「家族の心のケア」までは、患者の私には出来なかったです。


患者本人の精神状態が、治療効果に影響があるとしたら、


やはり、「家族は、心配しないこと」が、患者本人にしてあげれる一番の事であると思います。


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