天国から来た大投手 Vol.273 大リーグ編 | 六月の虫のブログ

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十二、ワンダーボーイ (つづき)


 五回裏、森次郎は勝利投手の権利をかけてマウンドに登った。森次郎は怖いもの知らずで、四番から始まるラインナップを三者三振に討ち取った。打者たちは、森次郎のサークルチェンジにまったくタイミングが合っていなかった。六回裏も下位打線を三者凡退に退けた。七回、井口のソロホームランで、七対ゼロと大差をつけた。七回の裏、マウンドに向かう森次郎に、監督のオジーはこの回が最後だからきっちり抑えてくるよう言った。六回を終えたとことで七十二球しか投げていなかったが、監督は予定通り森次郎を休ませることにしたのだ。

 七回は、一番、ジーターからだ。森次郎は、ジーターもサークルチェンジで三振に取った。二番のA.ロッドがバッターボックスに入ると、森次郎はキャッチャーのA.J.に歩み寄った。「A.J.、A.ロッドと速球で勝負がしてみたいんだ」とA.ロッドに聞こえる声で言った。「モリ」、A.J.は少し驚いた様子で森次郎を見た。A.J.は森次郎の真剣な顔を見て、「オーライ。速球でA.ロッドを三振だ」とA.ロッドに聞こえるように言った。A.ロッドは一瞬微笑んだが、すぐに真剣な顔に戻った。A.J.は、こんなルーキー初めてだと思うと同時に、森次郎とA.ロッドの力対力の勝負を見てみたいとも思った。浩輔も森次郎の奔放さに感心していた。


 つづく・・・



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