タイ国などでクーデター頻発 | 純ちゃんの潤だより

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日ごろ思いついたことを書き連ねた日記風のエッセイ。
時には辛口の鋭い論評もありますが、悲喜こもごも人生の旅人の思いを伝えて好評です。
世界情勢もよく分かりますよ。
みなさんも読んでやってください。

《クーデターと軍部の動き》

▼クーデターが、また発生した。南アジアのタイ国。「スマイルの国」としてよく知られているし、世界の旅行先として人気があり、南のプーケット沖は、天国にもっとも近い島もあり、のんびりとした平和な仏教国のように思うが争いが絶えない。首都バンコックは、デモ隊のなどの出血も少なくない。

▼この国の特徴として政治などで権力闘争が行き詰まると、軍部が登場。国王の意向として人物や政党に話し合いに応じさせ、平静を取り戻す。そんな政治劇が何回もくりかえす面白い国として報道される。

▼先日、「アラブの春」として民主化のデモと民営化に大きな期待が寄せられたが、結局、軍事政権のリーダーが圧倒的人気で当選。民主化の盛り上がりの消耗の果て、人々は軍部による安定を選んだ形になったと言えよう。

▼クーデターにも色んな形態があろうが、軍部が政治舞台に登場、権力を掌握し、国のあり方を方向づける。無論、民主的ではなく、戒厳令等の暴力秩序で支配する。多くの場合、国家が落ち着いた段階で、政権を民間政権などにシフトさせていくことを条件にするが、軍事政権は長期政権になり勝ちである。


▼どこの国の歴史を紐解いても、武力というか軍事力で中央政権などを獲得するケースが少なくない。殆どの政権は軍事力を得て政権を正当化する。また、「政権は、生ぬるい!」と批判し、シビリアン・コントロールも実際は軍部の強行的な独走に陥りがちである。

▼どこでも民主化の導入が成功するほど、現実の政治はヤワでない。だがクーデターなどを上手に織り込むことで理想の政治体制に近づくこともある。軍事政権のモラルや志が問題だろう。クーデターも使い様である。


《クーデターと権力奪取劇…》

▼クーデターと聞くと、政治上の非常事態を想像する。軍部統制下、戒厳令など緊急事態が宣言される。水面下では、政権交代が進む。混乱と不気味な緊張事態が続く。日本では、「2・26事件」が軍部エリートによるクーデターの例だが、成熟した民主国では滅多に起きないが、発展途上国、不安定な政情や警察や軍部によるクーデターという権力奪取が横行する。近年では、テロによる卑怯な破壊的事件も少なくない。

▼どこの国でも、外敵による侵略を防ぐ名目で軍事力の強化、充実を望むようになる。軍事力とか、武力という自衛力は、いつの間にか、内国の反乱分子にも向けられる。平和を標榜する社会主義国は無論、軍国主義を前面に押し出す政権が、クーデターをはじめ戦略を練り、あらゆる手段を使う。それは、民主制の熟成度や政治風土の違いを教えてくれる。軍部の掌握は、権力奪取、政権獲得には有効な方法だからだ。