【書評】全員で稼ぐ組織 | 20Charge

【書評】全員で稼ぐ組織

締切日を過ぎてしまいました。
ごめんなさい。


レビュープラスさんより献本頂きました!
いつもありがとうございます。


今回の1冊めは、こちら。

全員で稼ぐ組織 JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書/日経BP社

¥1,728
Amazon.co.jp


これまでは「アメーバ経営」ってことば自体がひとり歩きして、

「じゃ、実際どうやるの?」
「結局、現場の負担が増えるだけでは?」
「本当にメリットばかりなの?」

といった実践的なことがらには、あまり焦点が当てられてこなかったように思います。

ビジネス書のなかにもエッセンス版のアメーバ経営を取り上げてみたり、あまりに省略的に書かれているものが多い印象です。

ところが、本書はそうではありませんでした。

著者は、稲盛さんのそばで、ともに挑戦しつづけていることもあってか、豊富な具体例が書かれているのはもちろん、アメーバ経営に対する愛情すら感じます。




組織は、大きくなるほど仕事の全体像がつかみにくくなり、当事者意識も薄れていってしまいがちです。
アメーバ経営は、そうして弱くなってしまった組織を復活させる特効薬のように映ることもあります。

しかし、アメーバ経営を口にする経営者、組織の長のどれだけの方が、本当にアメーバ経営を理解し、導入しようとしているのでしょうか。

ダイジェストを見て、読んだだけで、導入しようとしている場合も多いのではないでしょうか。


本書は、導入事例も豊富に散りばめられているだけではなく、製造業に限らない医療の分野におけるアメーバ経営の実践例など自社、自部門での導入においてのシミュレーションをするに十分な情報を提供してくれます。

部門間での取り決めとなる社内売買価格(これは製造部門の代わりに営業部が営業してくれた仕事について取引があったとして計算するものです)を設定するだけでも、確かに従業員の意識はかわるでしょう。


自分の仕事が、数字になり目に見えて利益として感じることができるようになることで、今以上に、前向きに働くことができるでしょう。

ただ、本質的な部分は、そういったことではなく京セラフィロソフィーで有名な、人生の方程式に集約されるように思います。


人生・仕事の結果 = 考え方 ✖ 熱意 ✖ 能力


で表されますが、ポイントは掛け算になっていることです。

ひとつでもゼロがあれば、結果は出ませんし、どれかひとつを高めれば相乗効果が得られます。
この中で「考え方」を高める方法として、アメーバ経営がとても効果のある手法ではないかと思います。 
他の項目は、自分一人でも高めやすいし、測りやすい指標です。
僕は、「考え方」を高めることがもっとも困難なように感じます。
アメーバ経営を取り入れることは、この「考え方」を躾として、体に教えてくれるように思います。


仕事に限らず、考え方を鍛えて成果をあげる、充実した人生を送る。
そのためには、アメーバ経営が適しているのかもしれません。
そんな組織があれば素敵だと思いませんか。


実際に導入を検討している方には、このうえない参考書です。
本気の方にだけ、手にとって読んでいただきたい、情熱の一冊でした。