先日、所属している会の研修で滋賀へ行きました。
目的地は佐川美術館とラ・コリーナでした。
今回は写真がかなり多目で長いですので、
最後までお付き合い頂けたらありがたいです。
佐川美術館は以前行ったことがあるのですがスケールがすごいです。
建物の周りに水盤を作っていて水に浮いたような印象を与えています。
水が循環しているので波があるのですが、
北側の棟は比較的波が穏やかで水面に建物が写り込みます。
南側も波が立たないようにした方がいいようにも思えるのですが、
エントランスとなる南側の棟は通路に反射した光が映り込むので、
これが狙いなのかと感じます。
佐川美術館の壁のコンクリート打ち放しは杉板型枠。
板目を深く出すためにひと手間かけてあり、
型枠を固定するセパ穴も補修してあるのか見えません。
(目地は割れを誘発する構造目地だったのでパネルではないと思うのですが)
内部空間にも反射した水が映り込んでいます。
内部もほぼ杉板型枠コンクリート打ち放し。
わかりやすくて、シンプルで、バランスのよいトイレのサイン。
地下を抜けて茶室があるのですが予約制のため入ることができず、
外からじっくりと眺めてきました。
狙いなのか葦の高さと軒の高さがだいたい同じくらいで低めですが、
丁度いいと感じる落ち着いた雰囲気を感じさせます。
切り出した荒々しい石が室内まで延びていたり、
障子の開き方もふつうではなくて、必見の茶室です。
この茶室の向かい側に東屋のようなトイレがあります。
またまたトイレシリーズになってしまいました。。
一見するとただの腰を掛けるだけの東屋なのですが、
壁の向こう側にトイレがあります。
浮いたように見える屋根はアプローチとベンチの雨しのぎ。
トイレは別で屋根が掛かっています。
トイレは少し階段を下りて入っていきますが、
階段は玉砂利が少し入ったモルタルの洗い出し仕上げ。
普通の洗い出しより大人しくてさりげなさを感じます。
扉は鉄板で引手部分は1mmくらいの鉄板を数枚重ねてできています。
目線より少し上の部分から天井までスリットで切り取られています。
このトイレは見る価値ありです。
落ち葉と木の影のコントラストに思わず写真を撮ってしまいました。
長いのですが一気に行きます。。
一度来てみたいと思っていた藤森さん設計のラ・コリーナ。
屋根は芝生が張ってあり樋が無く、
前日の雨水がポタポタと垂れていたので、
時間がゆっくりと動いているような不思議な感覚になりました。
(通路には樋がついています。)
こちらも軒が低く、切り出したままの木が柱になっています。
中に入ると洞窟のような天井に目を奪われます。
黒く見えるのは炭が貼り付けてありました。
外に木の柱が建っているので木造かと思えるのですが、
中に入ると四角い柱が見えるのでRC造なんですね。
屋根は定期的に手入れしているようです。
建物を抜けると田んぼを囲うように建物が建っていて、
一つの集落のようになっていました。
まだこれから建物が増えて行くようでした。
建物がつながりながらもそれぞれ違った特徴を持っています。
こちらはカステラ専門店で喫茶スペースになっています。
軒下は雰囲気は似ていますが、
梁が露出していたり柱が成形されていたり違った納まり。
幻想的なエントランス。
中に入ると木の形をそのまま活かした内観で森の中のようでした。
喫茶スペースからの見た景色。
軒が低くてほら穴の中にいるような雰囲気です。
この建物は施設を運営するたねやの本社屋。
抜き出た銅板仕上げのタワーみたいなものの存在感がすごいです。
田んぼを囲うように回廊があるのですが、
天井と壁の仕上げが木板と漆喰のストライプになっていて面白いです。
いくつかモニュメントみたいなものがあり、
モザイクタイルミュージアムのようなものも。
やりたいことを凝縮してできたような印象をうけました。
冬も間近に迫っていたこともあり枯れ色の姿でしたが、
青々とした姿も見てみたいですね。