2日に外資導入を決める外国投資法の改正法が成立した。一度テイン・セイン大統領が見直しを命じて、議会に差し戻していたが、外資参入を規制する分野への出資比率の上限を撤回して、2日に大統領がサインした。
しかし、多くの問題が残る。やはりあいまいなのだ。既存企業や国内産業保護を優先したためである。
ミャンマーの外国投資法もベトナムの時と同じ形であった。今回法律の大筋は決まったが、細部があいまいで分からないため、施行細則がでないと何も始まらない。90日以内に具体的な施行催促を作るといっているが、果たしてできるか・・・この分野の官僚機構が弱く、様々な産業との利害と、省庁間のすり合せが90日間でできるとは思えない。
ベトナムの場合も、規制内容があいまいで、詳細の抜けが多く、多くの外国企業から文句がでた。ミャンマーの外国投資法は、政府の許認可の部分が多く、何でも政府に問い合わせをしないとならない。これでは参入に時間がかかってしまう。急いでこの法律を作ったので、細部を詰めきらなかったのであろう。
ベトナムの場合は、ベトナム語版と英語版の内容の違いもあった。
ただ国家計画省の外国投資局に日本人顧問がいて、この人が日本の大手銀行の主催するセミナーで詳しく解説してくれたので、おおよそのことは理解できた。また大手銀行は、外国投資法の日本語翻訳版も作ってくれ、詳しく事例も説明してれた。
ミャンマーの場合も、ベトナムと同様の対策が必要である。
改正法で良くなった事は、土地使用権取得が民間からも購入できること。法人税免税が5年になった。
これは他新興国と同じ条件を整えてきたが、その運用は政府任せというのがネックである。政府関係者に多額の賄賂を要求されるかもしれない。
インドの場合は、銀行よりも、あずや監査法人(KPMG)等コンサルティングが充実しており、投資法や会計基準についてのアドバイスが受けやすい。
ミャンマー国内では、イスラム少数民族との対立や一気に開放するために、ミャンマー国民の意識がついていかないという問題が今後顕在化する。
ただ中国でモノを作ることが困難になる現状では、ミャンマーでの投資の調査と準備は進めていかないとならない。
古き良き上座部仏教国であるミャンマー。今でも道々の辻角に、人が行き倒れにならないように、お水や食べ物が置いてある。
この信心深い人々が、外国からの投資によって、カネに狂い、モノ文明の毒牙にかかるのは、目に見合えている。戦後、インドシナ半島内で、唯一今まで人心も荒廃せずにきた最後の農業国ミャンマー。この国が5年後にどのようになっているのか心配である。