研ぎ澄まされた辛口 | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

研ぎ澄まされた辛口

師走に入ってはや2週間。今年も残すところあと僅かとなり、片付けなければならない雑用が山積している割にはだらだらと時間だけが過ぎて行く。どうも気忙しくていけない。そんな中、今日は朝から久しぶりに嫁さんの実家の家庭菜園に行き、大根やかぶら、赤かぶ、白菜、水菜、ブロッコリー、搨菜などの無農薬野菜を目一杯収穫し、併せて新鮮な空気を吸って心身をリフレッシュさせて来た。旬の美味しそうな野菜に身近に接していると、やはり考えるのは今夜何を開けようかということ。結局何をしていても最後はコレである。アル中一歩手前という感じか。


さて、今夜は南プファルツの巨匠、エコノミラート・レープホルツ醸造所 の2007年産カビネット辛口を開けてみる。Buntsandstein(雑色砂岩)という土壌成分の名前が付けられたボトルである。この醸造所の所有する主な畑は、貝殻石灰を伴う雑色砂岩を特徴としており、ドイツでも屈指の辛口ワインの造り手である。生産量の過半数をブルグンダー系品種が占め、リースリングは35%とのことである。


新・緑家のリースリング日記


淡黄色。香りは熟したアプリコットや洋梨が主体で、抜栓すぐは酵母や燻製っぽさあり。香りとは裏腹にかなりドライな造りで、シャープな酸がビシッと効いていて切れ味抜群。果実味は軽めで細身の造り。ミネラルは肌理が細かく軽やかなイメージだが、ボリュームがあって存在感充分。酸とバランスがとれているのでエレガントな印象を受ける。アフターに微かにフローラルなアロマ。この造り手のベーシックなクラスのリースリングは、良い時には研ぎ澄まされたような血筋の良さを感じさせるが、悪い時には塩味だけの味気ない印象を与える。いくら残糖が抑えられていようと、与える印象の良し悪しを左右するのは適度な果実味の有無如何にかかっていると言える。このボトルはなかなか良い感じで美味しく、スイスイスイとたちまち1本空けてしまった。86/100


2007 Riesling Kabinett trocken -vom Buntsandstein-

Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)

A P Nr 5 069 105 006 08,Alc 12%vol,輸入・販売元「ドイツ商事 」,4300円